身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

落ち込んだときには…。

 北里研究所病院に区民検診に行った。最近、起きられない。眠くて起きられないというのではなく、身体が動かないのだ。今日は目覚まし時計を家を出る1時間半前に掛けて、私は緊張感が強いので2時間前に起きたのだが、再び寝落ちというか気絶というか、意識を失ってしまった。再び起きたときはギリギリ。

 午前8時の開始なので、午前7時半ころ家から歩いて行った。白金の下町も地下鉄が通ってから働き盛りの人たちが住むようになった。行きに、白いシャツに紺色のタイトスカートの女性と、多数、すれ違って、事務系の専門職だった私には、その美しさが新鮮に見えた。しかし、丸の内で午前9時始業だった私は午前8時40分に出れば間に合ったのに、午前7時半に家を出て、彼女らは、どこに勤めているのだろう。

 昨日からの落ち込みが回復しない。そういうときは、こういったバカなことを突き詰めて考えると、少し気が紛れる。そして、北里研究所病院で制服の事務員を見て、女性の制服というものについて考えてみた。関係ないけど北里研究所病院の正式名称は北里大学北里研究所病院だそうだ。ちなみに北里大学の法人名は北里研究所。大学病院でもないのに、どうして、こういう名前になったのか不思議。

 さて、前述のように私は事務系の専門職(貿易実務)だったので、同僚も女性の方が多かったのだが、皆、いわゆるオフィスカジュアルの格好をしている。良家の子女みたいな人はカジュアルスーツで来ていたのだが、まぁ、主婦が銀座のデパートに行くような普通の余所行きの恰好である。「大人って単純。」のエントリーで、男性は奇麗な女性が好きというようなことを書いたが、この、綺麗なという定義を、ちょっと変えなければいけないなと思った。

 そのときのエントリーで容姿端麗と書いたが、なんとなく制服という同じ格好をしている女性を見ると、皆、容姿端麗に見える。私が以前いた会社はメーカーの本社だったので、唯一、制服を着ていたのは受付嬢だった。これも普段は若い子が職務に付いているのだが、健康を害したりして年配の上司の女性が受付台に立っていたことがあった。それを見て、受付嬢が健康を害すると恐ろしい事態になると言ったのは、意外にも女性社員だった。

 ファッションコンシャスというか、ファッションに対する意識が女性の方が高いのか…。私もウェストが70㎝ないとき、専門学校に就活の関係でスーツを着て行ったら、クラス全体に感嘆の声が起こったのは今でも印象に残っている。私がいた専門学校は成績別のクラス編成がされていて、私はトップのクラスだった。会社に入って、同窓の女性の先輩に、イヤでもモテたでしょうと言われたものだ。

 イヤでも… 本当に嫌だった。身長180㎝、東京の山の手出身、大学よりも難しい専門学校を準主席で出て、丸の内の一部上場企業に勤務、そういうことで自分が評価されている気がした。なんか、ここまで書いて、やはり過去のことを思い出し嫌な気分になってしまった。なぜ高校の制服が自由化したのにセーラー服が主流なのかなども考えたのだが、止めよう。

 そうそう、専門学校では、PUFFYの片方の人と一緒だった。デビュー前だったが、アメリカでのデビューが内定していたので英語を習いに来ているとのことだった。私より数クラス下だったが、私も、下の方のクラスから上がっているので(なんといっても高校での英語の偏差値は30ですから)私と1学年のときに同じクラスだった学生が2年で一緒になり、私に紹介してくれたことがある。当時の私は緊張感が漲っていたので、恐いと言って逃げられてしまった。

 今、卒業アルバムを見ても普通の女の子で、後に派手とはいわないまでも波乱のある人生を送るとは思えない。私はPUFFYの曲では「V・A・C・A・T・I・O・N」が好きで、渋谷系の感覚だなと思ったら小西康陽さんの手によるものだそうだ。小西康陽さんといえばピチカート・ファイヴということで、ピチカートの野宮真貴さんが歌ったものが、こちら。

V・A・C・A・T・I・O・N

V・A・C・A・T・I・O・N

 

 

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