身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

サーティワンアイスクリームの味は不変。

 昨日のショッピングモールでのこと。フードコートで一休みした。飲み物を買おうと思ったのだが専用のイートインスペースがある店以外では飲み物を売っているのはタピオカ屋だけ。

 母はタピオカは嫌いであるらしいので色々と見て回ったらサーティワンアイスクリームがあった。

 既述だが母の実家は麻布の仙台坂上にあり、最寄り駅は地下鉄日比谷線の広尾である。子供のとき、親の里帰りといって、皆が自然豊かな場所に行くのに私は鬱蒼とした住宅街というのが、あまり好きではなかった。

 そんなとき、母は私を広尾のサーティワンでアイスクリームを買ってあげると言ってアイスクリームで釣った。

 母はいつもチョコミントを買って食べていたので昨日もチョコミントを買って渡したのだが、開口一番、出てきた言葉が「懐かしい味」であった。

 あれから30年以上が経ち、それでも「懐かしい味」である。サーティワンアイスクリームの味は広尾にしか店舗がなかったときから不変であるようだ。