身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

出身地はどこ?

 一昨日より松戸にある実家に来ている。松戸といっても最寄り駅は北小金駅で、なので松戸の中心部より柏の中心部のほうが詳しい。

 私は生まれは東京で、1歳の時に、親が、ここに家を建てたので高校生までをここで過ごした。

 私は高校時代に教師からの虐めに遭い、家族(一人っ子なので親のみ)も今でいう毒親なので理解がなく、高校を辞めると同時に実家を追い出された。

 以来、30年ちかく、東京にある親の実家(麻布)と、そこから10分ほどのところにある現住所(芝白金)で過ごしている。

 1歳から高校3年生までは高々20年なので、圧倒的に今のところのほうが「地元」感がある。

 また、そのような過程を経て実家を出ているから、それ以降、実家に帰っても文字通り門扉も開けてもらえず門前払いされていたので、町の様子も良く判らない。

 このような場所は、果たして出身地と言えるのか。結局、出身地はどこ? と訊かれたら、やはり、ここではなく港区ということになるのだろう。

 私の周囲には地方出身者というのがいないのだが、地方出身の人は、帰省すると「帰ってきた」という感じがするものなのだろうか。