身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

人間は環境の産物かも。

 Twitter(鍵アカウント)で呟いていたが、ここ数日、ものすごく苦しんだ。1日に3時間くらいしか眠れないのだ。気持ちが悪くてクラクラして、眠剤を服んだときだけそれが和らいで、その和らいだ1・2時間だけ眠ることができた。

 1日中気持ちが悪いので、仕方がなく、そのまま何かをした。具体的には本を読んだ。鷺沢萠著「過ぐる川、烟る橋」。1人の女性を軸とした2人の男性の物語。中編。努力して成功した男と、努力しても何ともならないことに行き当たり、努力を放棄した男の話。

 努力して成功した男が主人公なのだが、彼は自分の性格に苦しむ。しかし、世の中、冷静沈着で情緒安定した人というのは、そういう環境にいるからで、人間、さほど変わりがないという人もいる。

 私のモットー「駄目なら駄目なりに頑張る」は、へなちょこなりに頑張るという鷺沢氏の言葉にも通じるものがあるが、やはり人間、腐って努力を放棄してはいけないというメッセージが込められた作品だった。

 しかし、頑張らなければいられないという生き方は辛いなぁと思う。この本を読んで、へなちょこなりに頑張ると決意した鷺沢氏が自殺したのは、努力しない自分というものがあったら許せなかったからではないかと、ちらと思った。