身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

鷺沢萠著『約束』が読めて生きる意味を見出す。

 花粉症で抗アレルギー剤を服んでいるせいか眠くて仕方がない。今朝は珍しく午前8時に目が覚め、しかも何の苦痛もないのでノンビリしていたら寝落ちしてしまった。

 寝ていないときに苦痛がないのすら奇跡に近いのに、薬もなしに眠りに落ちるというのは奇跡以上である。眠くて起きられないというのは何年ぶりだ。

 行きつけの喫茶店に行ったのは午後3時。友人から、昨日、TVでやっていたから混むよと言われたのだが、逆に、どれだけ混むのか見てやろうという気になった。

 しかし、そんな混んではいなかったというか、いつもと同じ程度。まぁ、わざわざ渋谷まで喫茶店を訪れに来る人などいないだろう(銀座は、いそうだが)。

 シフォンケーキの店として紹介されていたそうなので、あえてシフォンケーキを外してチーズケーキ。他にカボチャのプリンもあるのだが、食べたことはない。

f:id:minato_serenade:20210314184730j:plain

 

 さて、何を思い立ったのか、鷺沢萠著『さいはての二人』を持って出た。この本には3つの中編が収められており、表題作『さいはての二人』については以前書いた。

 また、3編目の『遮断機』も印象深い作品なのだが、なぜか、もう1編の『約束』が思い出せないのだ。

 最近、本当に本を読むのも苦痛で、喫茶店に本を持ち込んでも5分と持たず、どれだけ読んだかを見て「まだ10ページ…」などと思うことがある、というか、それがデフォルトである。

 今回、読んだ小説も50枚ほどなのだが、それでも読むのに1時間かかった。しかし、1時間、本を読めたこと、1編、読み終わったことに達成感がある。

 内容は、誤解を承知で書くと児童虐待から子供を救った青年の話である。その行動により、生きることへの腹が座る。

 この作品集の特徴として、生きる意味や希望を失った若者が、自らの体験を通して自分の生きる意味を見出していく作品ばかりが収められていることである。

 ここ最近、私のBlogにスターを付けてくださる方々のBlogを読みに行くと、生きる意味を失った若者が書いているBlogが多い。そんなことが、この本を読ませたのだろう。

 辛いのになぜ生きるのか、それが見付かるかもしれない1冊だ。