身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

死ぬほどの苦しみとの戦い。

 今日は汗をビッショリ書いて目が覚めることはなかったが、目が覚めて恐怖に襲われた。私には兄弟姉妹もいなければ従弟も親戚もいない。そういう、孤立無援であることである恐怖だ。

 自分の存在する意味というのを考える。目が覚めたのが午前9時で、動けるようになったのは午前10時である。鷺沢萠の言葉でいう、立派なヒューマンダストである。保健師さんにも、そんな話をした。

 訪問看護が帰るのを待って、居ても立ってもいられずに渋谷の喫茶店へ。朝から何も食べる気がしなかったが、ここに来たら何か食べようという気がして、きょう初、そして唯一の食事はケーキ。

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 久しぶりに小説が1編読めて、あ、だいぶ落ち着いてきたかなと思ったら、その次の小説が字面を追っているだけ。パーカーの5thという簡易万年筆と原稿用紙を持ってきているのだが、苦しさをぶつけようと原稿用紙に向かっても何も書けない。

 再び保健師さんに電話。保健師さんしか電話をする相手がいないのが、もう、私がヒューマンダストである証拠である。本当に2・3時間おきの電話になってしまっているが、今日は葬儀前だからと、普段は忙しいと出てくれない保健師さんも、わざわざ折り返し電話をくれる。

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 喫茶店には2時間以上、居座った。話し掛けようにも、今日は、よく話をする店員さんではない。この喫茶店は午後11時まで営業しているので、おそらく、夜になって出てくるのだろうが、さすがにそれまではいられない。

 他人のためにならず、他人に迷惑ばかり掛けて、本当にダメダメだなぁと思う。そして、また、自分なんか死ねばいいのにという気持ちが大きくなる。とりあえず、明日の母の葬儀は遅れずに行かねば。しかし平仮名も書けない。苦しい。