身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

不思議な貧乏人の話。

 久しぶりに熟睡した。一昨日の疲れが今になって出たという感じ。もう何年も金の無心をする高校の同級生からの電話で目が覚めた。チッと舌打ちした。まだ社会が動いている時間でもなく、苦痛なく目が覚めたので、もうしばらく横になっているつもりだった。

 他の同級生から電話。今度は公衆電話からだから出ないわけいかないよねという話。しかし、通話はできないのにLINEはできるという不思議なことを書いているのは何だろう? と訊くと、そのLINEを送った後に携帯電話を解約したのではないかという。そういえば050から始まる番号で架けてきたときもあった。IP電話か?

 よく判らないが沖縄にいるらしい。私には何の事前説明もなく飛行機代を貸してくれと言われて意味が不明だった。それも、同級生によるとリゾートバイトをしに行ったとかアル中の自助グループに入ったとか諸説ある。

 同級生は、もっと苦しめばいいのにと言うが、声だけ聞いていると苦しんでいるようには思えない。これも同級生情報だが、教会の炊き出しで食いつないでいるという。宿代は? 電話代は? 色々と疑問である。

 この話もスタートから書くと長くなるのだが、小説より奇なりである。東京にいるときから食うに困っていると言っていたのに、なぜ沖縄にまで行ってしまったのか。どうも、自分で状況を悪くしているようである。