身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

今日、見た一番カッコいい人は農家のオジサンだった。

 松戸滞在最終日。松戸といっても柏との境にある、けっこう田舎の町である。数年前あたりに有名なパン屋ができて町も有名になった。

 そのような町なので、たまに軽トラックなどが走っていたりする。今日、母に付き添って買い物に行った帰りのこと。

 その軽トラックは停止線でピタッと一時停止し、車間を空けてくれる車に手で合図をし、通過するのを待っていた私たちに頭を下げて去っていった。

 軽トラックなので農家のオジサンなのだと思うのだが、品川ナンバーを付けて(注・会社の車)都心を這い回っていた私から見ても清々しい。

 相手に良い印象を与えないだけでなく、わざと悪印象を振りまいて走っている車がいるが、あれは逆にカッコ悪いなと思う。

 人間、必要なのは愛嬌だよな… と思う。