身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

帰郷先。

 今、読んでいる小説で、生まれ育った町を「田舎」と言うので、どこだと思ったら羽田だったという話が出てきた。その影響かどうか判らないが、先日、私も自分の郷里のことを田舎と言って、自分でも、なんか変だぞと思った。

 私は文京区の生まれ(親の実家で本籍地は港区)で、今は、港区に住んでいる。私は、高校までは松戸市で過ごし、親は、現在、そこに住んでいる。なので、私の田舎は松戸市といえるだろう。これも何度も書いたが、松戸といっても繁華街ではなく、柏市との境の新興住宅街だ。

 私は、明日から実家に帰る。最近になると実家に泊めてくれるようになったが、正月に実家で1泊以上するのは、家を追い出されて初めてである。それなのに親父が死んだら早く帰ってこいとは勝手なものだよな… と思う。

 そういえばまだ両親の足腰が丈夫で私の家が汚部屋でなかったとき、正月に私の家に来たことがあった。どうしても明治神宮に参拝したいというので付き合ったが、寒いのに入れるカフェがなく、結局は表参道のスタバに入った。両親も故郷が恋しかったのかもしれない。

 もう、みんな郷里に帰るのかな… と思ったのは、部屋から見える車のが流れが、いつもとは違うのだ。都心だから通勤に使うということはないだろうが、だいたい午前9時になると車が“引けて”くる。それが、今日は、昼になっても車の数が減らない。しかも仕事の車ではなく自家用車ばかりだ。

 そして、昼食を買いにコンビニに行くと荷物を大量に発送している人や莫大な金額の公共料金を払っている人がいる。ここもサラリーマン・OLが少なく、まぁ、会社も終わって年の瀬なんだな… と思うが、まだ12月26日である。

 今年の御用納めは12月28日で、しかも金曜日だ。私も明日の木曜日、通院後に、その足で実家に行く。民間の仕事納めも、やはり、切りよく金曜日だと思うのだが、どうか。

 試しにスーパーマーケットに行ってみた。スーパーマーケットの前に学習塾があるのだが、ものすごい数の小学生がいて、年末年始の講習は始まっているようだ。しかし、こんなに大人数が中学受験をするとは、少子化なんだろうな。

 そして、やはりスーパーマーケットにも、主婦と思しき人は少なかった。逆に、ここはサラリーマン・OLが多くて、どうも、弁当屋が閉まっているようだ。賞味期限が近い食パンを半額で買った。いつもは半額になる前に売り切れてしまう。

 やっぱり年末なんだな… そう思い、週週間ぶりにシーツを洗い(40歳過ぎた男の独り暮らしなんて、そんなものです、潔癖で知られる同級生(妻帯者)も奥さんに怒られるそう)、いつもは入ったときに洗ってしまう風呂も洗い、荷造りもした。あとは帰るのみ…。まだ終わっていない会社は金曜日が忘年会だろうから、電車が混んでいないといいな。