身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

気力の低下。

 外界からの刺激というのは意外と大切なものだな… と今さらながらに思う。ネット配信のTVドラマも、積読(しかも買ったのは病気になる前の20年前後前)してある本も、大量にあるのに、どうも集中できない。

 環境を変えて行きつけの喫茶店に行きたい… と思うが、いつも混雑している店である。さらに、店内は喫煙可なのだが私は吸わないので、帰ってくると着ているものからタバコの臭いがする程度の空気の循環だ。

 外出の自粛要請が始まってから、寓居の周りをジョギングウェアを着て走り回る人が増えた。あくまでも自粛の要請で外出禁止を命じられているわけではないから勝手ではあるが、何を好んで1,300万都市の、しかも人口密度が高い都心部を走らなければいけないのだ。

 精神的側面では、どのような効果があるのかは知らないが、スピードもフォームも、どう見ても走り慣れている人たちではなく、体力が付く以前に疲れて免疫力が落ちそうだ。会社帰りの電車に乗るとの、そう変わらない気がする。

 しかし、これだけ何もできないと、何か打開策を見出そうという気持ちは判る。リモートワーク用の通信機器を使ってリモート飲み会・パーティーなど、それは思い付かない方が不自然な気がする。しかし、友人たちのそれをFacebookのライブで見ると、なかなか飲んで楽しそうなメンツが集まりそうもない。

 しかも、昨日、少し酒を飲んでみたところで体力が落ちているのは歴然だったし、数日前に叔父が死んだばかりだ。死ぬ少し前に実家に行ったとかで、母の話だと、鞄を持ってくることもできず、バスの昇降も他の乗客に助けてもらう有様だったという。ちょっと本格的に酒を飲むのは怖い。訪問看護師に怒られるも怖い。

 結局は感染を恐れて何もできず、それによってフラストレーションが溜まって何もできずという悪循環だ。しかし、私は免疫力がなく、すぐに風邪を引くし、肺炎も何回罹ったことか。それに、マスクなどの感染予防グッズもないし、そもそもマスクが苦手である。

 貯金通帳の数字が今までの月の倍程度あり、それだけ見ればニンマリできるのかもしれないが、今は、少しパーっと使いたい気もしなくはない。誰かも書いていたが、一時給付金など、単なる食糧引換券になって、景気回対策などにはならない気がする。さて、忍耐力が必要でも今からTVドラマでも観るかな…。