身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

台風と逃げ道。

 おそらくニュースでご覧になっていると思うが、今朝未明、東京は台風による暴風雨の真っ只中にいた。寓居は北と西の2面がベランダに面しているのだが、窓が割れるのではないかと思った。

 それで、確認をしに行ければ安心できるのだろうが、眠剤が効いているせいか身体が動かない。かといって不安と恐怖で眠れない。そして、身体がやっと動くようになったのは、台風が過ぎてから。

 やっと這って見に行った窓は、もう何年も拭いていていないのに、風雨で綺麗になっていた。また、マンションのエレベーターも止まったようで、1階の玄関の外壁も剝がれ落ちていた。

 逃げられない。名コラム「自立とは『依存先を増やすこと』」を思い出した。障害者にとって、逃げ道のオプションは、あまりにも少ない。とにかく、今朝、窓まで這って行ったときには、すでに好天で、私は疲れ果てていた。今日は早寝をしよう。