身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

ストーカーとパラノイア。

 東海テレビのTVドラマ「リカ」が楽しい。ただ、私は眠剤で寝ているので、丑三つ時にライブで観る楽しみがないのが残念だ。

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 主人公のストーカーが邪魔になる人物を次々と殺していくのだが、昨日は、ターゲットがタクシーで逃げるのを車にも迫る速さで追いかけていくシーンがあった。

 笑い話にならない・不自然にならないのは、深夜という時間に、この演出でやっているからというのもあるだろうが、日中、フツーに観ていても、あながち、あり得ないこともないと思う。私自身や友人のストーカー被害体験からすると、その情熱は、本当に時速数十㎞で走るという自分のポテンシャルを超えた能力も発揮しそうな勢いだ。

 実は、このドラマ、今は後編で、前編はターゲットが別にいた。しかし、執着する人物がいなくなったら新たな人物を毒牙にかけるのも、これまた私や友人たちを襲ったストーカーで実際にあることだ。

「百科事典マイペディア」では、パラノイアを次のように記述している。

偏執病(へんしゅうびょう)ともいう。妄想(もうそう)を主徴とする精神病で,情動・意志面の障害は少ない。多様な定義があり,たとえばE.クレペリンは,内因性に発病し,慢性に発展する妄想体系を示し,それ以外の症状や人格変化を全くきたさない疾患であるとした。そのほか統合失調症精神分裂病)や躁鬱(そううつ)病との関係がいわれることもある。なお,偏執狂(モノマニア)は偏狂ともいい,一つの物事にだけ異常な執着を示す精神症状をいう。

 パラノイアというと1つのものだけに執着するものとばかり思っていたが、モノマニアとは別のもののようだ。このTVドラマに限らず、友人を襲ったストーカーは、実際に、自分がターゲットになる人物と付き合っていたという妄想があったようだ。

 そう考えると、次から次へとターゲットを見付けるストーカーの気質は、ターゲットへの執着の一貫性云々とは別の妄想(例えば私を襲ったストーカーだと、私への執着ではなく自分は私が言うことを聞くべきベテランカウンセラーだという妄想)から来るもので、やはりパラノイアの一種なのかもしれない。