身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

一理ある。

 まだ実家にいる。写真を撮ったのだがアップする環境にない。私は普段、家ではTVを観ないのだが、母と辺境に住む人をフィーチャーした番組を観ていて、昨日は各地で仙人と呼ばれる人々の特集だった。
 そのなかでも沖縄の人(名前や内容が調べられない)は凄いなと思った。沖縄の人はテーゲーなどと呼ばれ、実際、私も沖縄の取材などで参ったことがあるが、辛抱強い人が多いのも、また沖縄人だ。
 印刷物(金のこと、アメリカ経験が長いとのことで、おそらく"Printed Matter"の訳)に振り回されるのは嫌だと、実感として言っていることが凄い。言葉の端々から、酸いも甘いも経験したことが滲み出ている。達観しているというのか。

 さて、他方、母が急に変な話を始めた。あらかじめ、こういうことを他人に言うと痴呆だと思われるから言わないんだけど… と言う。最近、昔、飼っていた小鳥の鳴き声が聞こえると言う。
 本人も、これは幻聴かと思って掛かり付けの医者(専門は外科)に訴えたそうだ。医者には、世の中には科学で解明されていないこともありますからと言われたそうである。
 それで小鳥の鳴き声が聞こえるのは超常現象ではないと思うのは困ってしまうが、確かに、これは幻聴ではない、すなわち統合失調症の類ではないということを言いたいのであれば、理に敵っているといえよう。しかし、だったら、その錯覚? も否定してくれよとは思うが。