身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

カミさんの悪口。

 予め書いておくと村松友視先生の同名の著作やTVドラマとは全く関係がない。この言葉を思い出した出来事があっただけだ。

 精神障害者地域生活支援センターの食事会に行ってきた。「精神障害者地域生活支援センター」という長い名前は何とかならないのかねと思ったら、関係者は「地活」と呼んでいるそうだ。しかし“婚活”ではないが、施設ではなく活動の名前みたいだ。

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 ボランティアさんが食事を作るのだが、相手にやらせていることからして私としては引け目を感じてしまう。何か手伝わなけばならないと思うが、私が入ると、むしろ足手まといになると考えたりする。そこに、いけしゃあしゃあとスマートフォンでゲームをしている女性利用者が1人。

 私は居たたまれなくなって施設から外に出て友人に思いの丈をLINEしていたのだが、今日の利用者は私を含めて3人しかおらず、1人は障害が重い人だったので、その女性は、せっせと働くボランティアさんを前に、実質1人で堂々とゲームをしていたわけだ。

 私は気を遣ってしまって、しょうじき食べ物の味が理解できなくなっていたのだが、その女性は、マイペースで食事。その人から差し入れがあったと紹介があったのだが、処分に困った余りものを持ってきたと、これまた平然と言う。おそらく謙遜ではない。量も数人いるのに1人分だし。追記すると食事会に来る理由を食費が浮くし食事を作らなくて済むからと言っている。

 これだけ面の皮が厚いと逆に清々しい。就職試験の面接で上がってしまう人は多いと思うが、私は、採用する側になっても恐縮する学生を前に恐縮してしまうという採用担当者だった。何人も面接すると、面接を受ける人と同程度のストレスを、その人数分、感じて、もうボロボロでした。

 そして、その女性は、では、私、家事があるので帰りますと、食べるものだけ食べたら帰ってしまった。私は、贖罪の意識ではないが、作るときに何も手伝えなかった自分が役に立てる良い機会だと思ったので、片付けはして帰ってきた。

 ここで思い出すのは、複数の人から聞いた、彼女の夫の言葉だ。ウチの妻は家のこともしないで飲み歩いてばかりいると機会があるたびに言っているという。過去、何回か書いた、障害を怠けたり優遇を強要する口実に使う人間というのは、実は彼女のことだ。

 夫の言い分としては、当然、障害を理由に家事を放棄したり散財されるのは溜まったものではないということもあるだろうが、同時に、外部には家事をやっていると吹聴しているのに実際はやっていませんということもあるだろう。

 もし、純粋に、彼女の夫が、これは精神障害者としては当然のことで、それを理解できない自分が変なのではないかと疑問を呈したとしたら、同じ精神障害者として危機感を覚えざるを得ない。障害を舐めるな、配偶者を舐めるな。以前、「お前は障害を言い訳にしていたのか?」というエントリーをアップしたが、純粋に、生理的に、そういう人には嫌悪を覚える。

 

P.S. お口直しに。ザッと撮った写真で申し訳ないが金杉橋の屋形船着き場の光景。奥は山手線と東海道新幹線

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撮影データ
日時:2019年9月12日・18時20分
ボディ:PENTAX K-50
レンズ:smc PENTAX-DA 18-55mm F3.5-5.6AL WR の55mm端
絞り:f5.6 (開放)
SS:1/40s (Auto)
感度:ISO 3200 (Auto)
プログラムAE -2/3EV)