身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

オフィスチェアを買い替えて罪悪感を覚える。

 事実としては書斎で使っているオフィスチェアが壊れたから買い直しただけの話だ。5,000円ほどで事務機器メーカーの物を買った。以前、他の事務機器メーカーの物を使っていたのだが、金属部分が、すぐに折れた。その後、精神状態が良くなかったので、ネットの通販で、目に付いた安物のダイニングチェアを、決して割安ではない値段で買ったのだが、あまりにも座り心地が悪かった。

 ネット通販というものができて、かなり薄れたが、私は生活必需品を買うのにも非常な罪悪感を覚える。今回も、オフィスチェアを買うと決断するのに5年かかった。初めて自分のためにカメラを買ったときは、当時は、もちろん店頭で買ったのだが、緊張感からか、家に帰るなり、12時間、死ぬように眠ってしまった。

 私は親に自分が好きな物を買ってもらったことがない。ファミコン世代なのに触ったことがないから今でも遊び方(使い方)が判らないのも、すでに述べた。小遣いももらうには貰っていたが、漫画はおろか好きな小説さえ買わせてもらえなかった。お年玉も、1銭も手渡されず100万円まで貯められて、その金で「親が」ステレオを買った。

 しかし、私の親は、何に付けて、私が自分の希望でやったと言う。私のために(親が)やったというのなら、まだいいのだが、私が自分の意志でやったのだと言う。うちには粗大ゴミと化している高級ピアノがある。これも、私がピアノを習いたいと言うので買ってやったというのだが、そもそも音楽など聴く習慣がない家の未就学児童がピアノなど欲しがるか。

 学生の頃もそうだ。学習用にPCを買おうとしても、買うどころか、そんなものは会社に入ってから使い方を教わればいいと言われ、就職のために車の免許を取るように言われても、車を使う仕事などさせないと言われた。自分たちは1年に1台、順調に車を廃車にしているのにかかわらず、である。誰が、やりたいものをやらされてもらったのだ。

 ステレオにしても買ったところでメインテナンスをしないどころか使い方を覚えようという気すらない。私にも触らせない。100万円のステレオは50時間も歌うことなく捨てられた。ステレオを触ろうとしたら「偏執狂」と叫ばれ家庭内暴力だと110番通報され、警察官にも嘘を吹き込んで自分たちと一緒に私を殴らせた。先日まで「警察を呼ぶぞ」と言われるとビクッとして何もできなかったと書いたが、本当に警察が怖かった。

 東京に越してきて、自殺未遂をしたときに生活安全課の警察官が訪ねてきた。正直、親から報告を受けた警察官が何かしに来たのかと思った。何を怯えているのかと言うのでカクカクシカジカでと話すと、警察官が住民を殴ったということに、その警察官の方がショックを受けていた。警視庁は千葉県警とは違います! と、よほど、一緒に思われたくないのだろう。これほど大きくショックを受けている人間を見たのは記憶にないほどだ。

 しかし、高校で教師に虐待され、家では40℃を超える部屋に監禁されてトイレにも行かせてもらえず、水を飲もうとしても家庭内暴力だといって110番通報された日々。何度も、このBlogに書いているが、何度も何度も書いても書き足りない。シュリンクに、よく親を惨殺しませんでしたと言われたが、あのとき、親が死んでくれていたら、私の人生は大きく変わっていただろう。死んで「くれて」いたらと、何か私の希望のような書き方になってしまったが、親は惨殺されて当然のことをしていたと思う。