身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

成金の民度。

 まだ、すべてのことに怒りが向いている。実家に帰ったら、私が住むマンションの管理組合長から私の親に宛てた、精神障害者がいるとマンションの価値が下がるから外に連れ出せという手紙が出てきた。どうやって入手したのか知らないが、キチガイは強制入院させるべきと書かれた内部文章も出てきた。

 この前、地元の警察官と立ち話をしたのだが、そのマンションの管理組合長が、警察の令状どころか請求もしないのに、自分の利益のため、例えば、このときだったら私がキチガイであるということを言いたいがために、わざわざ部外秘である住民直筆の居住者名簿などを警察署に持っていっているという。

 ここ数日「南青山に児童相談所は相応しくないと言う地元住民」のニュースを目にするたび、それが思い起こさせられ腹が立つ。地元の人以外にはどうでもいい、狭い地域の話だと思おうとして見ていたのだが、私も「このマンションは白金という高級住宅地に建っているんですよ!」と言われたのが疼く。麻布区本村町時代から南麻布の仙台坂上に住んでいた私から見ると、白金の商店街なんて褒められた場所ではない。しかし南麻布も白金も、港区民にとっては地名だけ聞いたら町工場街という印象しかないのではないか。青山だって団地と墓の町と思うはず。

 疑心暗鬼ではないが、そうなると、逆に根掘り葉掘り穿ってしまう。放送で「地元住民」が「表参道という一等地」などと言っているのを聞いて、地元の人間は青山を表参道とは言わないだろうと思った。また、「田町あたりに広い場所があるじゃないか!」と区の職員を糾弾する肉声も披露されたが、田町駅はあるが「田町」という地名はない(かつてはあったが、駅周辺の数百メートル四方だったはず)。「田町」が三田だとしたら慶應義塾大がある文教都市だし、芝浦だったら、このBlogで書いたように芝浦アイランドができて、むしろ、青山なんかより高級住宅地なのではないかと思う。

 私は孤独が嫌いなのと町遊びが好きなので都心に住んでいるが、UターンやIターンをする人間の価値観も否定はしない。私も変なマンションの管理組合長(ちなみに渡○登といいます、お引越しされるときのご参考に)がいるマンションなんて出たい。ただ、他のマンションの管理組合長が、どんな人間か判らないし、共同住宅が嫌だといっても、それは都心では難しい。

 しかし、それをブランド化して、それを維持するために、コンプライアンスを無視したり、公の物を利用するのは如何なものか。「表参道」と言った「地元住民」の同一人物が、都立広尾病院の移転誘致(立ち消え)に躍起になっていたという話も聞く。その、厚かましさというか民度の低さに怒ってしまった。

 

※青山の都営アパートに住んでいた兼高かおるさんが亡くなりました。生前は港区国際交流協会の役員も務めていらっしゃいました。