情弱。
いつもといわれそうだが、今日は体調が悪い。定期検診で胃のバリウム検査だったのだが、歩いて行ったら会場に着く時には汗ダクになっていた。
帰りは気分が悪くなってバスで帰り、家に帰って2時間ほど倒れるように寝てしまった。皮膚が腫れたのだが、疱疹なのか光線過敏なのか判らない。ブスコパンの注射をしたのだが、今まで、それで気分が悪くなったこともない。因果関係は不明だ。
まだ頭がクラクラするので、このまま寝てしまい、明朝、改善していなければ医者に行こうと思っている。そんなに急いで医者に行くほど酷くはない。
さて、私の両親は株に手を出したことがある。ことがある、というか、今でもやっているのではないかと叔父と話をしている。人並みの生活はしているものの、キャリア官僚という経歴からすると貧乏で、叔父は損失が億の単位に行っているのではないかと推測しているという。
まだ銀行口座を開く時の本人確認もなかった時代のことである。ある日、私の家に株の運用報告が来た。内容は外車が余裕で買えるほどの大赤字。親に言っても聞かないだろうから株屋に電話をした。ちなみに、かつての4大証券会社の1つである。
自分は、こんな取引はしていない、お前の責任だ言った。そうしたら、株屋は、親が子供のことを思って投資するのは当然と言い放った。株屋の分際で無権代理という言葉を知らないのには呆れる。これは消費者センターかな… と思ったら、そこの支店長から電話があった。
うちの社員がご迷惑を掛けました、大蔵省に報告して適正に処理しましたと言う。今になって思うとマスコミに言われるのが恐かったのだろう、東京を不在にしていたら、旅行先のホテルにまで、しつこく電話を架けてきた。そこで、買ったばかりの限定ズミルックス付きライカを置き引きに遭ったのは、株屋にも責任を取ってもらいたいくらいだ。
今、単純な儲け話では、普通の人は乗ってこない。株にしたって先物にしたって、今では、それで儲けられるといってもリアリティーに欠けるからだ。しかし、その手の話は、時代が変わっても手を変え品を変え繰り返されるものである。
そこから派生したのが「キラキラ起業女子」商法だ。客からセミナー代やパーティー代を取りながら、マルチ商法でも存在する儲かる担保がない無責任さで、学生のパーティーやサークルの方が明朗だしリターンが多いのではないかとさえ思う。
そういうセミナーで、私が引き合いに出されているということは知っていた。瓜ヶ谷は、いくら努力しても金になっていないでしょう、ああいうことをしていては駄目なんですという話のようだが、詳しくは知らない。
つまり、私みたいになりたくなかったら自分たちのセミナーに来て金を払えということのようだ。彼らが使う常套句が「学び」と「気づき」らしい。そんなもの、自分で本を買って勉強すれば、本の中には発見は沢山あると思っているのが、だから彼みたいなのは貧乏なんですと言うらしい。
その人たちの話を聞かなくなり、ついに客を食い潰したのだなと思っていた。やっと皆、カラクリに気が付いたのかと思った。それが、今日、久しぶりに妙なところで名前を聞いた。Facebookで、読んだ人の危機感を煽るような怪しい技術情報を流し、友人がそれをシェアしたのだ。
そこで取り上げられている情報など、私から見るとバカじゃねぇのという話であるが、普段、そういうものに触れていない人には真贋が判らないのだろう。そうか、そういうところから入り込んでいくのか… そう思うと、気まずくなるのは判っていても、はやり、シェアした友達が引っ掛からないように教えたくなる。
ネットスラングで、そういうリテラシーがない人を、情報弱者を略して「情弱」というそうだ。老人を相手にした振り込め詐欺もそうだが、最近、積極的に金を儲けようと思っている人では飽き足らず、無欲な人に食い込もうとしているようだ。
私自身も、正直、使わない知識は要らないのではないのかと思っている。知らなくても手を出さなければ良いと思っている。必要なら専門家がいる。しかし、最近は、知らないものを無理して使わせて金を取ろうという傾向にあることが、少し怖い。