身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

自己啓発と濡れ手に粟。

自己啓発(じこけいはつ)とは - コトバンク

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

仕事に関する知識,技能,経験などを他律的な形式に支配されずに自主的に向上,啓発していくこと。潜在的な能力を啓発したり,新たな技能,知識を身につけようとする性質は本来人間にそなわっているものと仮定し,自分から進んでこれを実現しようとするのを援助して,従業員の意欲を高めるとともに仕事の遂行能力を伸ばそうと意図したのが自己啓発の制度である。その方法としては自己研鑽のほか,教育研修や能力開発への参加,参画的経営,自己申告制,職場ぐるみの訓練などがある。

デジタル大辞泉

本人の意思で、自分自身の能力向上や精神的な成長を目指すこと。また、そのための訓練。「自己啓発セミナー」

 

 読書を中断してネットサーフィンをしてしまった。1日に6時間しか行動できず余剰の時間などないのに、そういうことに時間を割くと、思いっ切り後悔する。そして「5ちゃんねる」で件のプロブロガーなる人物が高額な自己啓発セミナーなどを行なって、または受講して、結局、参加者が貧しくなっていくのを目の当たりにした。

 私は自己啓発本などは読まないのだが、その理由を成文化したことがない。拝読しているBlogに、件の私の主観が入った端的な要約では、行動は啓発されて行なうものではないし、そういう人は方策など自分で見付けるものだろうというようなことが書いてあって、なるほどなと思った。

 そもそも自己啓発本に何が書かれているのか知らないし、そもそも自己啓発とは何ぞやということになった。意欲は「本来人間にそなわっている」ものだから、形にする方法を教授する本といったところか。拝読したBlogには「始める前に20分散歩する」というものがあったそうだが、散歩すると頭がシャキッとしますよという感じかと思った。

 しかし、自己啓発セミナーというのは、それとは、ちょっと性質が違ったもののようだ。上のプロブロガーなる人間のセミナーだと、情報弱者に甘い言葉を掛けて、情報を正しく見る力をスポイルし、それで、いい気にさせて金を取るといった感じだ。無理して自己啓発という言葉と絡めるなら、意欲が備わっているのは私が認めてあげるよといったところか。

 そのプロブロガーなる人間のセミナーでは、金は使えば使っただけ入ってくると謳っているそうで、それを実践した結果、借金が1,400万円になったというのは、ある意味、反面教師として、いい見本になっていると思う。彼は今でもクレジットカードでリボルビング払いをして夜ごと宴会をしている。

 なんとなく見えてきたのは、手に入れたいのは「もっといい方策」転じて「楽な方策」を欲しがっているということだ。そして、もっと甘い話がないかと、他の人が講師のセミナーに参加し、ますます貧している。彼らのBlogのタイトルも「不真面目に生きる」「下剋上する!」… といったもので、正攻法ではなく、内容を見ても楽をして稼ぐ方法の模索である。さらにはパチンコで借金返済などというものもある。

 しかし、本当に実力を付けたい人なら、1つか2つ、このようなセミナーに出れば、そんな美味い話などないと判るはずだ。むしろ私など、自己啓発本など読まないというBlogを書いた人に啓発されている。そうしたら、自然と、町に出て川に出て海に出て山に出て本を開きノートを開いているはずだ、今日の私のように無為なネットサーフィンなどせず。