身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

心を掻き乱す母からの電話。

 私は午後8時に眠剤を服んで午後10時には寝る。長い間の習慣だし、母も当然、知っている。しかし、昨日も午後9時半を過ぎて母からの電話は鳴った。

 その前の日も嫌な夢に魘された。朝、母が死んでいて、実家にやってきたヘルパーが家に上がれずに、私に実家へ来いと電話が架かってくる夢だ。

 母が心配などではない。ただただ面倒なのだ。なんで、あんな奴のために私の生活が掻き乱さなければならない。

 昨日、架かってきた電話も、私の生活を掻き乱すのが目的の電話だった。なぜ、1週間も実家に来ないのかと言う。その間に死んでいたらどうするのだと。

 端的に私は舌打ちをした。手続きさえなければ、死んでくれた方が、よほど楽である。こんな気苦労もしなくて済む。

 そして、昔のことを思い出す。昨日書いた高校の教師からのイジメ。そして家に帰って精神を病んで身体が動かなかった私を殴る蹴るしたこと。

 そして医者に連れていかれて医者に親が悪いと言われたら、親を悪者にすると言って私を実家から放り出したこと。

 大学への編入を前提に専門学校に進学し(それまでも多々あった)、首席で卒業したのに「勉強なんて嫌いなものに決まっているから机に向かっているのはボーッとしているに決まっている」と言って大学へ進学させなかったこと。

 これさえも、大学へ進学させると言って手続きまでさせながら、学費だけ納入しなかったこと。

 20歳になっても監禁して成人式にも出さず、国民年金にも加入させてもらえず就職先で怒られた上に年金を追納したこと。

 就職して自立しても勝手に自宅に上がり込み家の中を荒らしていったり、例えば鞄があっただけで会社をサボッて旅行に行っているなどとアラさがしをされたこと…。

 そんなことが思い出されて、まったく眠れなかった。

 私が失業して生活に困って電話をしても「気を引きたいため」「心配を掛けて楽しいのか」などと怒鳴って切って、本当に食うに困ったこともあった。

 自殺未遂をしても1ヶ月も発見されず、全身麻酔の大手術になったが、家族説明にも来なかったこと…。

 そんなことをしながら、よくいうよと言う話だ。