身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

帰宅。

 松戸から帰った。通勤に使っている路線でないので平日の混雑具合は判らないが、電車も、明らかに去年のゴールデンウィークよりは「密」である。午後4時ころに松戸を発ったのだが、都内に入ると電車の座席も埋まってしまった。東京に帰ると、東京都の警戒を呼び掛ける宣伝カーが。

 今回は実家に行ったら「ありがとう」と言ってもらえた。高校を退学してから実家を追い出され、それから30年ちかく、文字通り門前払いという日々が続き、叔父を連れていって20年ぶりに親戚一同(といっても私と両親と叔父の4人)が揃った翌日に父が死んだ。

 その直後に叔父が死に、現在、血族で残っているのは母だけである。志賀直哉の「和解」ではないが、そういうものが父の生前になかったのが、ちょっと残念である。というか、何も引き継ぎなく死なれても、こちらとしても困る。本当、仲の良い家族や兄弟がいる人には憧れる。