身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

デマと一片の真実。

 昨日放送のMIU404を観た。こういう特撮系のものは最初から突っ込んでくれなきゃ。盛り上がった。

 このTVドラマの面白いところは、以前、書いた「腐らなくて良かった」ではないが、さらに一片の真実を突っ込んでくるところだ。

 作中、人気YouTuberが嘘を事実だといってアップして…という話がある。

 それを取り締まる警察側の主人公は、ちょっと考えれば事実でないことが判るのに… と言う。点と点を無理に繋げるとも言う。

 無理に繋ごうとすると、そこに嘘が生まれる。

 今日、私はデマを流された。私が住むマンションは共用スペース・来客用駐車場を使うときは事前申請が必要なのだが、お構いなしに壁を傷だらけにしてエレベーターを占有して、とんでもない引越しをしていた人がいた。

 〇号室よ! と私の部屋番号を叫んでいる人がいて、何を言ってるんだと問い質すと、だって宅急便が来てたもの、だそうだ。

 これだって、“とんでもない”引越しをしている人の部屋なんかに宅急便が来て普通に対応できるわけではない。

 デマを流した人は言い寄ったら逃げてしまったが、ここでの真実は宅急便が来たということだ。それが無理やり点と点を繋げるために使われるのは心外だが。

 こういうでっち上げをする人の特徴として、その、「ちょっと考えれば判る」ことが判らない人であることだ。

 私のネットストーカーはTwitterに「真実を追い求める者です。」という自己紹介を書いている。この人は一片の事実もないことが痛いのだが、それでも自分は事実だと信じているようで、何がそうさせるのかというと足りない頭である。

 思慮が深い人は一片の事実を嘘という水飴で延ばしたりしない。そこを無理に伸ばしてしまう人は、思慮が足りないというより、頭が弱いのかなと思う。