身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

ロールスロイスを買おうとした話。

 鉄道模型でウェザーリングという手法があるそうだが、生まれて初めて買ってもらったミニカーの埃も払わず、適当な背景で、ライティングも特にせずに撮ってみた。風景が描いてある背景とかなら良いんでしょうね。

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撮影データ
撮影日:2020年08月17日
ボディ:PENTAX K-3
レンズ:smc PENTAX-D FA MACRO 50mm F2.8
絞り:f32
シャッタースピード:1/2s
感度:ISO 6400

 

 

 精神障害により全くに近く記憶がないのだが、今から30年前、車に関するシゴト(副業)をしていた。トヨタ自動車日産自動車のシゴトを受けていたのだが、トヨタ自動車に関するものは覚えているのに日産自動車については本当に何も覚えていない。

 今日は、そんな日産自動車のシゴトに関するものである。これも、図版が残っているので辛うじて覚えているのだが、図版は日産自動車が作成したものなので、ここで使っていいのか判らない。(個人所有のものについては問題ないとのことでしたので掲載します。8月19日。)

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 オープンカーについて、おそらく雑文でも書いていたのだと思う。その前はトヨタ自動車でミニバンについて書いたらミニバンブームが来たので、次はオープンカーと思ったのかもしれない。ユーノスロードスターが出たか出ないかというときである。

 今でも車を買うなら真っ赤なコンバーチブルと思っていることに片鱗が残っているが、色々な人のオープンカーに対する思いを聞き、感化されやすい私は、車自体を持っていないのにオープンカーが欲しくなった。

 当時はバブルで寓居の周りの駐車場は月に4万5千円もした。駐車場だけで年額54万円である。先日、車を持っている友人に訊くと維持費が年に30万円ということで、さらにガス代も掛かる。乗らなくても、ざっくり年に100万円かかることになる。

 良い意味でも悪い意味でもバブルである。そんな寓居の駐車場代を「安い」とのたまう人がいた。何事にも感化されやすいのが私である。確かに周囲と相対的に見れば、安いとはいえないが高くはない。バブルとは怖いものだ。また、私の給料もうなぎ登りに上がっていく気がした。今は無職だから、もうその時点で計算が狂っている。

 しかも悪いことに、寓居の隣には外車屋があった。今はビルを他人に貸して家賃で生計を立てているが、最後に見たときには店主のコレクションらしきジャガーEタイプとデイムラー、ランドローバーがあった。

 そんな外車屋の前を通るたびにショールームを見るのだが、けっこうな頻度でコーニッシュが通過していった。左ハンドルが多かったが、珍しく右ハンドルの渋い色のコーニッシュⅡがあった。これも何色ではなく渋い色としか覚えていないが、コーニッシュはキンキラキンが多い。

 気が付いたら私は手付金を払っていた。それだけははっきり覚えているが、車両本体価格は430万円だった。なので100万円前後だと思うのだが、恒常的にライカハッセルブラッドを買っていた私には、そんな高いという実感はなかった。

 友人に全力で止められた。部品1つ幾ら掛かると思うんだ。普通の自動車の数倍の維持費が掛かるんだぞ。コーニッシュの部品代が高くて宮内庁が難儀しているという話を聞いたのは去年のことで、冷や汗をかいた。

 結局、買約は取り消してもらったのだが、先週、ちらっと近所にできた外車屋を見たら、同じモデルが1,000万円で売りに出ている。去年、10万円で売ったライカ(私が持っていたそのもの)が100万円で取引されているし、なんか宝くじの当選券が当たったと知りながら捨てたような気分である。