"woke"というネットスラングの意味は「マウントを取っている」というネットスラング。
NHK(Eテレ)の「世界にいいね!つぶやき英語」という番組を観ていた。しかし、Eテレというチャンネル名は何とかならないものか。NHKの動画配信サイト見るとG・Eと書いてあり、総合(General TV)・教育(Educational TV)という昔の呼び方が、いかに良かったか。
さて、そこそこ難関の英語の専門学校を出たといっても30年近くが経ち、仕事を離れても20年近く(!)が経つ私でも脱力しながら観られるので、英語の勉強にはなかなか良い番組である。太田光さんはともかく保里小百合アナウンサー可愛いし。
民放のTVドラマばかり観ていたのだが、一昨日は「木村花さん 海外からの投稿」の再放送だった。なぜ、ネットいじめ(CyberBullying)が起きるのかというと、自分の優位性(woke)を示すためであると。"woke"とは文字通り"woken"(原形"wake")から来ていて、もっと目が覚めているぜというような意味らしい(番組中では「意識が高い」と訳されていた)。
オバマ前大統領のスピーチが引用されていたのだが、スピーチ全文を書きとる能力はないので、紹介されていたツィートを引用する。
Every social media bully needs to hear this message from President Obama. You’re not brave. You’re not “woke.” You’re not an activist. You’re throwing stones because you are broken inside and your only source of relief is to hurt others. #RIPHanaKimura pic.twitter.com/PI0n630KHn
— Eugene Gu, MD (@eugenegu) May 23, 2020
あなたは勇敢な訳でも"woke"な訳でも、活動家になった訳でもありません。あなたは内面が壊れていて、他人傷つけることしか安心材料がないから、あなたは石を投げているのです。
スラングというのは同じ社会情勢下で同時多発(coincidence)的に発生するものだと思っている。世界が、これだけ狭くなっている今、多言語で同じような言葉が発生しているはずで、日本語だとしたら何だろうと考えた。
先日、私のネットストーカーが私について書いたエントリーを読んだ人に、「彼岸」という「ニーチェの著作からの借用」や、「極北」という「『カラマーゾフの兄弟』を訳した米川正彦氏の解説に出てくる言葉」を引用して、何が言いたいんですかね… と訊いた。
「それは湊さんより物を知っていて上を行っていると言いたいのでしょう」と言われ、このとき、これが「マウントを取っている」ということかと思った。今まで、使われているのはよく目にするのだが、なかなか、これ!というシックリする用例がなかった。こんな身近にあったとは。
さて、「マウントを取っている」という言葉の成立も、ネットで調べた限り諸説あるらしい。動物のマウンティングから来ているというのと、レスリングのマウントから来ているというのが、今のところ2大有力説。いずれにしろ、相手を押さえ込むことによって優位性を誇示するという点で一致している。
それを踏まえてこのNHKの教育番組を観て、あぁ、私のネットストーカーも政治評論家気取りで政治家の言葉とか盛んに突(つつ)いているものなと失笑してしまった。政治家の言葉の上げ足を取ったとしても「あなたは勇敢な訳でも"woke"な訳でも、活動家になった訳でもありません。」もう、以下同文で笑ってしまった。