身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

付ける薬がない。

昼食

 友人と浜松町で食事。讃岐うどん「もり家」にて。目の前で打って茹でてくれる。以前、行った、ラーメン屋「七彩」のようだ。

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 今日は無料でプリンが付いた。味は、饂飩が美味いのは当たり前だが、天婦羅が美味かった。

 

付ける薬がない

 そして、精神障害者家族会みなとバラの会主催「精神科薬物治療の基本 主として向精神薬について」を聴講してきた。講師は、なでしこメンタルクリニックの白石弘巳医師。

 聴講生が主に統合失調症患者の家族という前提での講演で、私は、どちらにも当てはまらないので(タイトルで、そう判っていたら行かなかった)病理・薬理は、どうでも良く、前半は、ひたすら退屈だった。しかし、次の話あたりから、急に興味深くなった。

 引きこもりの35歳男性が急に急に活動的になり遠方に住む知人に就職口を探してもらうと言って出掛け、「目的地に着く前に言動がおかしいと通報され警察に保護された」のだが、この医師は(家族は要望したようだが)入院させずにインヴェガジプレキサのみを処方したことろ、3ヶ月後、家族によると「おかしな状況はなくなった」とのこと。もし入院させたら薬が激増し、体調が悪くなったと感じ、服薬だけでなく治療さえ拒絶するようになっただろうと言う。

 また、「EE研究」というスライドを見せ、EEというのは"Exprtessed Emotion"の略で家族による感情表現の度合いらしいのだが、データも提示され、その調査(Vaughn氏による1976年のもの)の分類でEEが高く服薬していない患者の再発率は92%、EEが低くて服薬している患者の再発率は12%とのこと。

 EEの高低に限らず服薬している方が再発率が高く、逆に服薬していればEEが高い方が再発率が高い。悪くしないと思うことは大切だが、良くしようと焦ってプレッシャーを掛けるのが良くないとのことだった。

 それから後は、おそらく服薬の重要性ということで上の話から再び薬の話になるのだが、印象深かったのは、この医師が、これだけ家族の接し方を説きながらも、最後に、「子供が死にたいと言っています、いい薬はないでしょうか?」という質問が出たこと。

 白石医師は、それは病気の症状ではないので効く薬はありませんと言って、死にたいと言った患者が、それを口にしなくなるまでの話を1つした。そうだから、こういった勉強会が開かれているのだろうが、こういう講演を聞いた直後でも、まだまだ、家族の認識は、その程度なのだなと思い知った。