身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

相続は一段落。

 今日は相続の件で税理士さんと対話するために港区生活・就労支援センターへ。書類はあらかじめPDFで貰ってチェック済みなので捺印のみ。提出書類の厚さがコンサイス辞典くらいあったので驚いた。私は事務職だったのに事務処理能力がないので拒絶反応を起こしそうになった。

 税理士さんは、そのまま松戸国税局へ。電子申請はできないそうだ。前にも書いたが、意外と仕業(しぎょう)の人は大変だ。私の前の仕事(貿易実務)は専門職といっても書類に税関や商工会議所に登録した印鑑とサインさえ使えばいいので(通関業を除く)申請代行業者というのが、かなり幅を利かせている。

 相続税はゼロ。だったら最初から放っておけばよい気もするが、減免申請をして初めてゼロになるという。父の生前にも、節税とまではいかなくても制度の利用ができたようだ。しかも、相続の手続きに飛び回っていたら、税金が掛からないことなど想像でないだろう遺産3億円(この金額以上が「富裕層」となるそう)という人があたり前にいて驚いた。そういう人には専門家というのは重宝するだろう。

 さて、その、税理士と橋渡しをしてくれた港区生活・就労支援センターだが、この福祉の手厚さは港区ならではだな~ と思ったら「生活困窮者自立支援制度」という国の制度の利用だそうだ。しかし、生活(経済)の相談に行ったのに、初めに相続の問題から解決をと言われ、そこまでしてくれるのかと驚いた。

www.mhlw.go.jp

 

 しかし、ちょっと前に変な物議を醸した港区子ども家庭総合支援センターにしても、そういう設備を作ってしまうのは、さすが港区という気がする。東京は保健所も市区町村が運営するのだが、保健所が区役所の一環となって、課がひとつ、丸々入っている。他方、地方では、区市町村が作る余裕がなく港区生活・就労支援センターのような事業は社協がしているそうだ。

www.shakyo.or.jp

 

(このページを見ると「この制度では、対象となる本人の自己選択、自己決定を基本にしつつ、必要な支援を受けながら、経済的自立だけではないその人なりの自立をめざします。自己肯定感や自尊感情を失っていることも多く、その尊厳の確保も重要になります。」とあり、そうか、単なる経済的支援ではないのねと判った次第。)

 私の実家がある松戸市というとマツモトキヨシの「すぐやる課」が有名だが、実家での手続きのために松戸市役所に行くと、組織の作り方が、まだまだ縦割りである。的確な例を思い出せないのだが、固定資産税の証明書を取りに行ったら納税に来ている人が別の部署を案内されていた(しかも松戸市役所は本館と別館・新館に議会も別になっている、近所の支所にに行くので本庁は初めて行った)。

 港区では支所を総合支所という名前にして、原則、そこで受けた業務は、そこで処理して還元する。ある程度の決裁もできる。前の港区生活・就労支援センターと社協の話でいえば、センターと社協さえ同じ建物の同じフロアに配してシームレスに業務を行っている(港区生活・就労支援センター内に職安の出張所もある)。国の組織でも民間の組織でも、同じ事業をするのであれば協業といった感じ。協業というのは受け入れるだけでなく委任することもあり、かなり合理的な印象を受ける。

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 なんか、港区と松戸市の組織の違いという話になってしまったが、港区生活・就労支援センターの仲介で税理士に入ってもらい、とりあえず相続税の申告は済み、のんびりと不動産の相続登記をしようかなと思っている。これは期限がないし、自宅を購入したときに登記は自分でしたので(法務局・登記所は親切に教えてくれる)なんとかなるだろう。

 贅沢をしようと思いガストに入った。贅沢をしようと思ってもファミレスしか思いつかないのが貧しい私らしいが、このエントリーに書いたように、ちょっとした晴れの日はファミレスという感覚が抜けない。しかし、こんなランチで1,000円以上するし、冷房は効いていないし。自分の感覚が変なのかと思ったがコップが汗をかいている。

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 相続の手続きが終わったら、ご褒美にカメラレンズを買おうと思っていたのだが、先日の心理的ショックが後を引いていて、そんな気分ではない。買うのを止めるか、不動産登記が終わってからにするか。最後に、買う予定のレンズをご紹介して終わりにする。