身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

甘いな…。

 誰ではなく、自分に向けた言葉である。

 私の担当保健師は、なかなか相談に乗ってくれず(最近になって思うのだが相談に乗れる能力がないのかもしれない)困って保健所に電話を架けた。

 特別区では保健所は区が設置することになっており、保健所の職員は区の職員である。なので、区役所からの異動ということもあり、保健所には、たまたま前任の担当保健師がいた。

 事情を話すと、最初は、立場が… と言っていたのだが、見かねて相談に乗ってくれるようになった。そして、保健所の近所に用事があったので、挨拶に顔を出した。

 前任の保健師は困惑した。訪問するのなら今の保健師さん、と言われた。どうも、相談に乗っているのも、ちゃんと今の担当保健師にも相談しているという前提で相談に乗っていると、周囲を説き伏せてくれていたらしい。

 そして、自分が彼女に甘えていたのだということに気が付き、どうして、そんなことに思いを馳せられなかったのかというと、やはり自分も他人に甘いからである。

 何度も書いているが、私は、サラリーマン時代、事務系の専門職だった。私の場合、担当の営業がいて、その人のサポートをするのが仕事だった。

 仕事が好きだったから、まぁ、スキルはあったのだと思う。他の営業からも仕事を頼まれることがあり、それを安請け合いしていた。

 今になって考えると、その営業の担当者は面目丸つぶれである。しかし、私は営業が喜ぶ顔が見たくて、それは、つまり、無神経な私の自己満足である。

 逆に、一般事務ではないから、次の会社では他社との折衝を任されることもあった。他社の見積もり(しかも新卒で入った会社と同業者)に対して値切るということもしなくてはならない。それが、たまらなく嫌だった。

 サラリーマンであるから会社のために働くのが本分である。それを、利益よりも営業や外注先が喜ぶ顔が見たいというのは、勘違いも甚だしい。

 たまに、優しいと言われるが、そうでないことは自分が一番、知っている。結局は自分が傷つくのが嫌であり、自分に甘いのだ。

 

 

今日の気分。ぶー。

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