身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

帰れない私。

 下書きが飛んだ…。
 まだまだ松戸の実家にいる。母が、今日の午後、銀行に相続の手続きに行くと言うので、まだ、母が寝ている時間から(母が起き出すのは午後になってから)市役所の支所に行く。
 委任状のフォームを取りに行くのに1往復。母が起きてから委任状に署名捺印を取り、印鑑証明書の交付に1往復。母が写真付きの身分証明書を持っていないため、その度に身分証明書(2点証明のうちの1点)として住民票を取るのが手間なので、マイナンバーカードの交付申請書を貰うのに1往復。委任状はたくさん取ってあるのに、マイナンバーの交付申請書はフォームが違うというオチが付いた。
 それだけ駆けずり回ったのに、母が銀行に行くと言って家を出たのは銀行の窓口営業時間の5分前。行かないと気が済まないようなので同行するが、当然、銀行が開いているはずがない。
 外出したかったのだろうなと好意的に解釈し、買い物に付き合う。ケアマネージャーさんにクレジットカードを持たせるのは危険だと言われたので、イオンのクレジットカードをWAONカードに切り替えさせる(高齢者向けのポイントカードなので、近所のミニストップには置いていないらしい)。
 チャージと決済の方法を教えようとしたら、判るから良い!!と一蹴され、レジの外で待っていたら、レジの後ろに行列ができていて、慌ててレジへ戻る。しかし、クレジットカードのポイントを使って、残りを電子マネーで支払うと言って、会計専門の係がいるのに判らず、レジ打ちの係に訊いているのは店にも落ち度があるな。
 他にも、インターネットのデータ通信量を振り切ってしまったので、インターネットを使用するたびに近所の市役所の支所に行っている。なので、マイナンバーカードのオンライン交付申請のために、さらに1回、市役所の支所に行っている。〆て市役所の支所と4往復している。疲れた、帰りたい… と思うのだが、動悸と目眩が激しい。少し休まないと…。帰り、実家の前で、車が止まってから停止の合図をしたので訝しく思っていたら、私の家のことを気に掛けてくれていた近所の人が、私たちの姿に気が付いて車を止めてくれたのだった。ありがたいけど、母はジレているし、こっちは、もうボロボロだ。