身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

優しさに頭の良さは必要かも。

 愚痴ばかりではなんなので、たまには褒めよう。

 先日、父の携帯電話の解約に行った。そのauショップでの出来事。

 事前に、死亡したことが判る書類と私との関係が判る書類を用意してくれと言われていた。

 まぁ、事務は滞りなく済んだのだが、ポイントの残りが、約4,000ポイントありますと言われた。

 それは料金に充当できるのですか? と訊いたら、あっと気が付いた風で、亡くなった方に申し訳ありませんと謝られた。

 私は、一瞬、意味が判らなかったのだが、どうも、解約したい人を食い止めるための文言らしい。

 しかし、私は、言った直後に気付いた店員を評価したい。

 まったく別の店の別の機会であるが、対応に不満の意を表したら、マニュアルに書いてある通りにやったと逆ギレされたことがある。

 お客様は神様だとは思わないが、せめて気持ちを持った人間であることを前提に対応して欲しい。それができなければオートメーションでも良いじゃんと思う。

 国語教育は、もちろん、読み書きが不自由なくできることが目的である。しかし、国語には、自分の気持ちを適切に表すことも含まれている。

 他人のことを思う気持ちがあっても、相手のことを理解しようという努力、それを表明する聡明さを兼ね備えることが重要だと感じた出来事だった。