身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

残念さを上回る怒り。

 今日は年金事務所へ。親が委任状を書かないので連れていくが、隣の駅まで歩くと言って聞かない。

 年金事務所で市から貰った書類に不備があることが判り、年金事務所の近所にある市の支所へ。ここも当然、委任状がないから親を連れていく。

 私は、その足で再び年金事務所に申請に行く。その間、親はマイペースで歩きたいと駅へ直行。私は1人、年金事務所で手続きの後で駅へ向かう。

 そこに付き添いで来ていた叔父がいたのだが、呑気にビールを飲んでいる。年金に関する全ての手続きを私がやっているので、疲れ果ててしまった。

 朝から何も食べていないので、駅で蕎麦でも食べようと思うが、食べるなと言う。実家の最寄り駅まで戻ったら、さすがに立ち眩みがして、食べるなと言うのを振り切ってパン屋へ。

 1日の最初の食事が午後5時過ぎ。そもそも、タクシーといわなくてもレンタカーを借りてザーッと回ってしまえば半日もかからない。タクシーに乗ると勿体ないと言い、私の運転する車は危なくて乗れないと言う。

 私は免許を取っても、私の運転は危ないといって家の車には指1本触らせてもらえなかった。その間、親は何回、対物のみならず対人事故を起こしたことか。

 今、私は親に付き合わされて買い物の最中だ。お父さんは倹(つま)しい生活をしているのに、お前は贅沢をしてと言うが、大きな刺身を数パック、買っている。

 私は刺身なんて月に1回食べればマシなほうである。食費に関していえば、1人あたりの食費は私の数倍、使っている。

 父親が生前、私のことを「大っ嫌い」だったと書いたが、父親は予々、私を遊ばせないのは家の方針だと言っていた。

 遊んでいない人間が言う分には判るのだが、私が豪遊している、自分は倹しいと言いながら、月に50万円も収入があるのに何も残らない生活をしていて、何を言うのだ。

 今日は、親孝行をできなかった残念さを、怒りが数倍、上回っている。