身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

鷺沢萠『銀河の町』を読んだ。

 さすがに鷺沢萠先生にも飽きてきて、しかし何を読んで良いのか判らない。さっきセブンイレブンに行ったら「文藝春秋」が置いてあって、え? コンビニに文藝春秋? と思ったら芥川賞の発表があったからか。
 せっかくだから買ってみようかなと思ったら980円。今日、Suica交通系電子マネー)の残高が足りなくてチャージをしたら残金が1万円。明後日に金が入るからいいのだけど、家計簿的には大赤字。

 ほとんどが飲み代なのだが、そういうときに限って無理して貯金していたりする。これも、例の、話が長い60歳の友人に、貯金をしてしまって金欠だと言ったら、貯金って必要? と言われた。

 そうですね、あなたはマンション持っていますものね。月の生活費が15万円しかないとか、サラリーマンって月に幾ら取ってるか知っています? そこから家賃かローン、光熱費や子供がいれば学費が引かれるんですよ。 あぁ、高輪のお坊っちゃんは違うな。


 うん、私の筆力も戻ってきたぞ。明日からは、このBlogも大丈夫かな。

 

 


 

 

駆ける少年 (文春文庫)

 気負って書評などを書こうと思ったせいか、作品集『駆ける少年』に入っている3編の小説のうち、まだ1編しか読んでいない。

 そして、なんど読み直しても、どう評していいのか解らない。筋書きらしい筋がなく、書評者泣かせの作品だ。

 決してつまらない作品というわけではないが、端的にいえば味がある作品ということで終わってしまう(今回エントリーのタイトルが「読む」ではなく「読んだ」になったのも、そういう気分があったのかも)。

 書評の常套として作品の概要を梗概を書かなければいけない気がするが、特筆すべきは描写なので、ネタバレという以前にバラすネタがない。

 状況だけ説明すると、都心から少し外れた、段々と再開発されていく、上に高速道路が走っている国道が通っている町での出来事だ。

 赤い提灯には「季節料理 小雪」と書かれているが、オバチャンひとりでやっている「小雪」は冷奴だの焼魚だので酒を飲ませる、煤けたような飲み屋である。

 この「小雪」という飲み屋に集う人々にまつわる話なのだが、もう、店が煤けちゃっている時点でエレジーだ。

 筆者が冒頭でエレジーだと宣言してしまっているのだから、どうこうしようがないのだが、それを描き切る手腕には感心してしまう。

 自分で書きながら、あぁ、こういう上から見たような書評が似合わない作品だなぁ… と思った。酒に酔うように「都会のアンニュイ」に浸っていただきたい。

 

 

 ちなみに、この作品が気に入った方には、私から、次の2作品をお勧めする。

 

 最初は、現代日本小説(直木賞受賞作)。これは鷺沢先生自ら好きな作品といっている村松友視『時代屋の女房』。夏目雅子主演で映画にもなった。

時代屋の女房 (1982年)

 

 そして、洋画。ニューヨークを舞台をした、ウェイン・ワン監督、ハーヴェイ・カイテル主演の映画"Smoke"。

スモーク デジタルリマスター版 [Blu-ray]

 

 

 …しかし、なんで私は都会を舞台にした物語が好きなんだろう。田舎の自然も好きだけど、そこに絵は見えても物語が見えないからかな。