身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

高輪の人は他人の悪口が好き。

 県民性ではないが地域によって住む人には特徴がある。その中でも、引っ越してきたとき、高輪の人は、なんと他人の悪口が好きなのだろうと驚かされた。

 まず、通っていた床屋。ここは某大作家先生に話が楽しいからと勧められて行ったのだが、私が精神病になったら叱咤激励が激しくて行くのを止めた。

 その先生の手前もあり、ごく身近な人に行くようになった経緯を話したのだが、だって、あそこの人の話って他人の悪口ばかりだよねと言われ、言われてみればそうだ。

 もうひとりは実家から50mのところにアパートを借りて生活保護を受給している人。それ自体チートなのだが、750㏄のバイクを乗り回している。

 言うことは立派で、だれも生活保護を受給してバイクを乗り回しているなどとは知らないから、知らない人は彼を称賛する。

 しかし、そういう性格に難がある人だから、気に食わないと悪口の矛先が自分に向くことがある。

 ある日、私は、全く知らない人から、湊さんは親に「ちょーだい」って言えば50万円でも貰えるって本当? といきなり訊かれた。

 そんなことがあるはずもなく、情報の出所を聞くと、やはりそいつだった。私も大人気がないから彼の本当の生活を教えてあげたが、段々と、そういう人であるということが認知されつつある。

 しかし、麻布育ちで白金在住の私から見ると、どうも、高輪というのは僻みとかやっかみというのが横行している。これも高松宮と何となく歴史的因果がありそうで、機会があったら調べてみようと思っている。