身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

テンポが勝負(映画「娼年」を観て)。

娼年

 

 相変わらず眠剤が残って起きられない。やっと起きたのは午後3時で丸1日の予定をキャンセル。何度も書いているが、活動できる時間が少ないうえに、活動できない時間も苦しいのは辛い。

 夜、眠るまでに一仕事できない微妙な時間である。CATVで「日本映画専門チャンネル」の契約をしていて、適当な映画をエアチェックしてあるのだが、今回は、その中から掲題「娼年」をセレクトして観ることにする。

 この前の「日々是好日」から、映画を最後まで観られるようになった。その前に「カメラを止めるな!」にチャレンジしたのだが途中で投げ出して、自分の感性が普通の人と違うのかと思ったら、拝読しているBlogに同作品のことが記されていて、どうも退屈だと思うのは私だけではないようだ。しかし飽きても消していないというのは、リトライしようと思っていたからだろうか。

 さて、「娼年」は、かなり昔に原作を読んでいる。続編「逝年」と併せて読んだので、おそらく、10年ほど前のことだ。原作は、登場人物の性癖や服装のセンスについての描写が活き活きとしていて、石田衣良さん、乗ってるな~ という感じがあったのだが、残念ながら映画では、それが失われている。

 尺が2時間あり、その半分が性描写に費やされている。この映画にアダルトビデオ的なものを求めている人はいないと思うし、たしかに、それよりは叙情的な描写ではあるが、さすがに延々と見せられると嫌になる。 松坂桃李さんのファン向けの映画なのか。

 この作品は、石田衣良氏のセンスを見せるとともに、たとえテーマがセックスであっても、やはり軸は主人公リョウと、それを啓発する売春クラブオーナーの静香の関係で描かれるべきだろう。原作は「逝年」と合併させて静香の最後まで描いてほしかった。