身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

眼鏡のワッシャーを飛ばした話。

 私は増永眼鏡のGMS-804という眼鏡を使っているのだが、先日、鼻当てがポロッと落ちてしまった。「抱き抱え」というそうで、鼻当てに平べったいステープラーの針のようなものが付いていて、それで軸を挟む形状になっている。鼻当てはベンチの隙間に落ちてしまったのだが、おそらく、ステープラーの針にあたる部分が折れたのだろう。

 その眼鏡を購入した店は、露骨なディスカウントを行なったために増永眼鏡から取引停止を食らったそうで、青山三丁目にある増永眼鏡の直営店へ行く。ベルコモンズがなくなって初めてのキラー通り

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 ここに来るのは10年ぶりくらいだろうか。変わったような変わっていないような。増永眼鏡の小さい通りを挟んだ向かいは八塩圭子さんの実家があったが、前回、来たとき、既になかった。増永眼鏡の店員さんは近所の移り変わりが激しいと言っていた。

 また、この交差点の名前は「青山三丁目」だと思っていたら「南青山三丁目」だった。町名改正以前の地図を見ると、この交差点から外苑前のほうに行ったところの都電の停留所の名前が「青山四丁目」だ。一丁目を昔に合わせたらしいが、町名改正で丁目も変わるのか。丁目が変わっていないのは銀座くらい? しかし、この地図、秩父宮ラグビー場が昔「相撲場」だったとは。(後日訂正・相撲場の場所の現在は神宮第二球場。現在の秩父宮ラグビー場の場所は女子学習院。)

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 さて、もう、ここからは自分の馬鹿らしさに笑うしかない話である。鼻当てを付けてもらって(気の回る男性店員で反対側も交換してくれた)ルンルン気分(令和という元号を審査した人の1人の造語です、誰でしょう?)で家に帰って、眼鏡も綺麗にしよう! と、止せばいいのに眼鏡を分解掃除した。

 分解して中性洗剤でジャブジャブ洗う。間に入っていた皮脂汚れが落ちて気持ちが良い。そして、さて、組み立てるぞと思ったら、洗面台にワッシャーが落ちている。眼鏡にワッシャーが入っているとは思わなかった。さすが高い眼鏡は違う。

 しかし、ワッシャーが2枚しか見当たらない。ワッシャーだから可動部の上下に入っているはずなので、左右上下計4枚あるはずだ。組み立ててみると軸が緩々である。再び増永眼鏡に行って恥を忍んで経緯を話してきます。

 以上が馬鹿だなぁと笑うしかない話でした。