身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

思い詰めて手紙を書いた。

 明け方まで眠ることができなかった。コンビニで大量のビールを買ってきているが記憶にない(金を払っただろうかと少し心配)。やりきれずに書いた手紙を転載する。(母親が役所に行かないのは写真付きの本人確認書類がないというのも理由の1つなので、それは誇張だな。あと、数字などは、横書きにするにあたり改めた。)

 

拝啓

 現在午前3時、ボロボロになって、このお手紙を書いています。再び松戸の実家に長逗留することになりましたが、今朝(昨朝?)から疲れが取れません。

 父が他界する前日から、叔父が最も寝易いところを取ってしまい、私は寝具もマトモにない部屋で寝ているので疲れが溜まる一方です。しかも酒を飲んで早くに寝る叔父は朝早くからTVを付けてるので、睡眠時間も充分に取れません。

 そして私は、朝からゴミ出し、洗い物等の家事をしており、せっかく図書館から借りてきた本も読まずに返却期限を迎えました。そして、まだ残っている届け出・申請の手続きのため、市役所の支所に行ったりして午前中が潰れました。

 午後、市の支援センターとケアマネージャーさんが来ることになっていたのですが、当然、母と叔父は新たな家事を私に依頼し、準備どころではありません。

 母は介護利用料が高額なので、そういう制度の関係者が来るのは嫌だと顔も出さなかったのですが、実際に払っている額は、母の主張する額の5分の1であることが判明しました。

 松戸市の職員の方には、この前の有さんは言葉もロレツが回っておらずボロボロでしたよねと言われましたが、また新たな消耗戦が始まります。

 そして、市の職員の方が帰られるや否や、また叔父が飲み始めました。市の職員の方が、同居している人がいる世帯にはヘルパーを入れることができないので帰ってくださいと言うのですが、叔父は実家に居つづけると言っていて、何を聞いていたのかと思います。母が転倒したとき、叔父も居合わせたのですが、そのことも酔っていたのが記憶がないそうです。

 その後に母が通院することになっていたのですが、掛けていないはずの生命保険(簡保)の保険証券が出てきて、郵便局に必要書類の確認をし、母の通院のときに市役所の支所から委任状のフォームを取ってきました。

 閉庁時間ギリギリに役所に入りました。明日は土日、月曜は早く帰りたいので、委任状・申請書を書いておきたかったのです。母本人が市役所に行けば委任状など要らないのですが、私は、母が面倒臭がるので、再度、市役所に行かなくてはなりません。

 そして母の通院に付き合ったところ、病院で母の介助をしているときに叔父から酒を買ってこいと電話がありました。そして、母が楽しそうに3時間、買い物をしているのに付き合い、酒を買ったり、いったい、この時間に、どれだけのことができて報酬に換算すると幾らだろうと思いました。

 さらに、帰宅後に、また、なかったはずの父の預金通帳が出てきました。出てきましたというより母が持っていて、どうしてあると言わなかったのかと問いただすと、前々からあると言っていたと言います。

 私は事務の専門職でしたので、なるだけ役所に行く回数を少なくして、いっときに全ての手続きをするようにしているのですが、こう、バラバラと何度も出てくると、合理的に動けません。

 そして、酔いつぶれた叔父が一糸まとわぬ姿で出てきたと思ったら、床中に放尿していました。その処理自体は母がしたのですが、それに付き合い、午後10時半に、母に眠剤を服むと宣言してから服んだのに、一段落ついたのは3時間後の午前1時半でした。

 しかし、追加眠剤を服もうと思ったのですが、母は眠剤がそんなに早く切れる筈がないと主張し、追加眠剤を服むことを許してくれません。

 母は叔父が飲んだくれていることは何とも言わないのに、私は、既に書いたようにコーヒー1杯も飲ませてもらえません。また、自分の利益だと思って行動していますが、母は面倒ぐさがって動かないし、皆がよってたかって私のことを嫌いだったと言い、コイツらにも私が被っている苦労を分担させたいと思います。

 私は拙いなら拙いなりに分別がありますから、事務手続きをしないのは私のためにならないと思いますし、犯罪を起こしたい衝動に駆られますが抑えています。それでもイラッと来て、母を怒鳴ってしまうことや叔父を無視してしまうことがあります。

 月曜日に市役所に相談に行くことは、預金通帳が出てきたのでキャンセルするとして、市の職員の人に、いざというときに家に入れるようにキーボックスを設置して欲しいと言われネットで注文、それが明日、届くので、それまでは実家にいなくてはなりません。

 家族のみならず、ゴミを捨てに行こうとゴミ捨て場に行ったところ、出し方が間違えていたゴミがあったらしく、まさか、今度は違反していないだろうなという張り紙があり、ヤな感じというより脅迫めいたものを感じ、自分が、この町に育ったことを恥ずかしく思いました。

 今日は、たぶん徹夜です。かつて、作家の原田宗典氏に、高校を中退したことを話したら、それは書くべきことが多いということだよと言われました。

 書くべきことは沢山あります。ただ残念なのは、表現することが収入に繋がらない。それでも私は命を削る思いで書いていました。今後、親からの仕送りがなくなり、そのライフワークができなくなるのが残念でなりません。

敬具

 

2018年10月13日未明・松戸にて