身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

Tokyo Sihgtseeners' Guide - Shibuya Part 6

 カメラを数えるときに、こういう表現が適切なのかどうか解らないが、40㎏のカメラを引き取ってもらった。

 貰い手がなくて困っていたところを、大阪のカメラ屋が適切な価格で引き取ってくれるという。

 20年という中途半端な時を経たカメラだから二束三文にしかならないのだろうけど、できれば好きな人に使ってほしい。

 カメラが好きでTwitterではカメラ屋のアカウントを幾つかフォローしているが、その中のカメラ屋が、そういう人に売ってくれると思った。

 発送して、Twitterでダイレクトメッセージ(DM)を送ってみた。実はTwitterのDMを使うのは初めてだ。返信の一部を下記に。

瓜ヶ谷様の機材が到着いたしましたら、私も加わって査定させて頂きたいと思います。
カメラに対する価値観は多々あると思います。私の場合は、仕事柄やはり「先人の皆様の思い」を大切する事が使命ではないかと考えております。
カメラを作った方、あるいは使っておられた方、色々な方々の思いがこもったカメラを未来の方に引き継いでいく、そんな姿になればいいなぁ〜なんて思いながら、日々カメラに囲まれて仕事をさせて頂いております。
この度はどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 ヤフオク! で、いっとき、私が使った中古カメラは良いという噂が立ち、私も嬉しくなったし、もっと大事に使おうと思った。

 しかし、詐欺師的な転売業者が大量に現れて、そういう噂も消えてしまった。買う方も、目が利く人はいなくなってしまった。

 新参者には、丁寧に使ったように見せてんじゃないのみたいなことを質問欄で書かれるし、公開されないからいいのだけど、それでも不愉快だ。

 今回は、本当に二束三文の物なので、好きな人のところに渡って、仲介してくれたカメラ屋に利益が入れば嬉しい。

 


 

 さて、"Tokyo Sihgtseeners' Guide"渋谷編の新編、元渋谷編。元渋谷なんて地名はないのだけど、旧金王町を中心とした渋谷3丁目、東(ひがし)一帯のエリアを、港区的なネーミングセンスで、こう呼ぶ。

 渋谷には良く行くが、この地域には、なかなか来ない。欲しい資料が地元の図書館になく、渋谷区立渋谷図書館に資料を借りに行ったときと返しに行ったときの2回しか来たことがないのではないかと思う。

 例によって渋谷駅をスタート。工事中だし、なんという出口を出るのか判らない。とりあえず、渋谷警察署を目標に降りる。

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 そして適当なところで大通りから奥に入ってみると、巨大な竪穴式住居みたいなものが目に入る。けっこう、昔からあったけど、何の建物だろうと思ったら、ミキプルーン三基商事

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 そして、神社が。鳥居の繋がりが美しいが、どの鳥居にも皇紀2,650年と書かれていて、同時に立ったものだと判ったら、なんかガッカリした。真ん中に聳える百度石というものが何か解らずFacebookで友人に訊いた。(^^;)

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 そして、金王八幡宮へ。写真は撮っていないが、今、流行りの御朱印というものを初めて貰ってみた。他の神社でも貰ったが、上手い字と比較されてしまう下手な字の神主さんが可哀そう。ここは達筆。

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 個人の感想だが、御朱印を貰うというのは、お守りを貰うより霊験あらたかな感じがする。単純に、お守りは貰えば安心だが、御朱印は、一応、眺めるからだ。今回、さらに、金王神社では御朱印とともに「参拝の栞」というものを渡された。

 おみくじも引くが、久方ぶりの大吉。ただ、「願望 苦難を乗越え信神堅固にすれば少しずつ叶う」とあって、なんか、いかにも苦難がありそうで嫌だと思う。おそらく、これは、受験のときに知人に貰った湯島天神の鉛筆に「困難に打ち克て」と書いてあって失敗して以来だ。

 そんなことを考えながら街中を行く。ビンテージと化したマンションが多く、私は松濤みたいなお屋敷街より好きだ。ただ… ここに書くようなことがない。とりあえず、路傍に紫陽花が咲いていますよと写真を撮る。

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 そして、歩いた先が、また神社。しかも、ものすごい階段。でも、なんか、日傘を差して犬を連れた女性の後ろ姿が画になるでしょ。って思うのが私だけだったら恥ずかしい。『時代屋の女房』の先生が好きなせいかな(笑)。

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 ここでも御朱印を貰うが、この神様は、なかなか商売がお好きなようだった。なので、どの神社とは、あえて名前を出さない。ただ、郷社として由緒ある神社だ。そんな街並みを歩くと、國學院大學に出た。

 そこに、塙保己一史料館という、映画のセットに出てくる公会堂といった風情の建物がある。ここでも、そこでイベントを開いている人が記念写真を撮っていて、私は写真を撮れなかった。

 それでも、ちょっと奥に入っただけで、こんな建物が。昔は、中央区の方に行くと、ちょっと、こういうアールデコ風の建物が沢山あったものだ。ちなみに、この建物は個人の事務所として使われている。f:id:urigayatsu:20180624165225j:plain

 

 まっすぐ広尾の方に突っ切ると、広尾小学校の時計台が目に入る。なんか画面が汚いが、表に出ると、こんな建物だ。写真だと良く判らないが、窓枠などが凝った造形になっている。

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 そして、広尾か明治通りに出る。この辺も、趣深い建物が、たくさんあるのだが、個人の邸宅なので、ちょっと紹介できない。この辺に行かれた方は、建築物を眺められても楽しいかもしれない。

 さて、総括してしまおう。神社や建築物が好きな人には向いているが、これといって、この土地ならではといったものはない。おしゃれなカフェも、ほとんどない。小規模なマンションと一戸建てんが並ぶだけだ。

 ただ、田園風景というほどでもなく、適度な都会の住宅街を歩くのには、うってつけの場所だと思う。これより、ちょっと都会になると高層マンションに建て替わっていたりするし、近郊に行くと空地ばかりだ。

 今回の、このエリアにも「恵比寿プライムスクエア」というものができていた。入口に狛犬があったから、神社の敷地も含まれているのかもしれない。しかし、入らなかった。入る気がしない。

 渋谷の駅前の再開発が、ここ1・2年で終わる。そうすると、次に開発されるのは、このエリアだ。山の手の住宅街の風景を見らるのも、この数年のことかもしれない。

 

P.S. 最近、港区では、どこに行っても再開発エリアに入っちゃって… という話ばかりでイヤだ。寓居もそうだ。しかし再開発に左右されない郊外の一戸建てに住みたいと言うと、なぜか友人に止められる。しょせん我々は都会のネズミなんだな…。