身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

厄介者。

 あえて「病気」カテゴリーに入れる。先日、友人宅にお呼ばれしたとき、そこに母から電話が架かってきた。今、友人の家に来ているから電話は改めてくれと言ったのだが、電話を切るどころか友人の家には行けるのにウチには来れないのかと始まった。

 眠剤の加減が上手くいかないので外泊は延期している。3日前の日曜日から薬が変わったのだが、一昨日・昨日と3時間しか眠れず、昼間は眠い。他方、今日は昼過ぎまで起きられなかった。

 起きられないといっても眠いのではなく、身体が動かないのだ。根性で何とかなる問題だったら、むしろ楽だ。同じマンションの住民に「ゲームばかりして飽きませんか?」とか言われるし(そもそも寓居にはゲーム機自体ない)、どいつもこいつも私を怠けているかのように言う。

 前任のクズ医者に至っては、心臓が針の筵の上で転がされている思いをして起きていられないと言うとゴロゴロしていたいための言い訳と言い、夜も心臓が針で刺されるような思いをしてウトウトもできないと言うと夜更かししたいための言い訳と言われた。

 理由を訊いても「パーソナリティ障害だから」。こういう症状があるからパーソナリティ障害、ではなく、パーソナリティ障害だから嘘を付いていると言う。通院するのも必死だったのに、死ぬ思いをして病院を変えた。今の主治医はパーソナリティ障害ではないと言うし、現に心臓が針の筵の上で転がされている思いも収まった。クズ医者は誤診に基づいて私を嘘吐き扱いし、心臓が異常な値を示して心臓内科に運ばれても鼻で笑った。

 あまりに腹が立つから、クズ医者の名前は挙げないまでも、せめて病院を挙げよう。都立広尾病院だ。その前任の神経科(精神科)部長は名医だったが、名医だからこそ松沢病院の副院長として栄転してしまった。その後に部長になった医者は医長に降格し、広尾病院神経科は、もう何年も部長不在だ。

 母のこと、ゲームが飽きませんかという人(この人も肩書だけ挙げよう、BS朝日の解説委員だ)、クズ医者、これらのことに腹が立って仕方がない。しかし、腹が立つようになったのは良かったと思う。朝、起きたときは、自分の身体が動かないことで、逆に、私の方が駄目な人間ではないのかと自分のことを責めて辛かった。

自分の持ち物が悪事のネタに使われたこと。

 あらかじめ書いておくと私には悪意はないし、その行為に加担したいと思っていない。

 事の初めは半年前。私はネットのオークションでカメラを買った。新品同様といわれたが、ちょっと、そういうのには苦しいコンディションだった。私も不承不承、使っていたが、やはり気に食わない。

 そして、先日、同じモデルの程度が良い物が同じオークションに出ていて、それを購入して気に入った。そして、その気に食わない前のカメラを同じオークションで売った。

 ちなみに、前回も今回も、買ったカメラは58,000円。40,000円は元を取りたいが30,000円スタートにした。あっという間に50人のウォッチリストに登録されたが、最終的についた値段は33,000円。さらに落ちが付き、本来は2個しか付属しないバッテリーに、他の物を1個、付けてしまった。

 問題は、ここからである。私のカメラを買った人間が、私からカメラが届いた翌日、それを、また同じオークションで「極上超美品」といって50,000円で売りに出しているのだ。バッテリーも特別に1個オマケしますみたいな感じで(1個余分だと判ってるんなら返せよ)。今、見たら買い手が付いていた。33,000円で買って何もせずに50,000円とは、とんだ錬金術だ。

archive.is

 

 正直にコンディションを書いたら安く買い叩かれる。これは、まぁ物相応の値段ということで不問に付したい。しかし、私が売った物が悪事に利用されていると思うと心が痛む。私は、このカメラを私に売った人間や転売をした人間のように、瑕疵を隠して他人を騙すようなことはできない。

 Facebookのカメラのグループで意見を募ったら、露出を飛ばして傷を隠す写真を撮ったりフィルム時代の古い焦点距離も違うレンズを付けて純正レンズキットといって売っている輩もいて、これは、まだ甘い方だとか。Facebookでも同じような意見が大量に付いたが、正直者がバカを見る、このオークションは、なんとかならないのか。

 そのための情報交換を密にしましょうということになったが、事務局も何とかしろという意見も、多数、出た。しかし、本当に大切に使ってきたであろう物を廉価で譲ってくれる人もいるので、癪だけど、そこでの売買は止められない。しかし、こういう輩が増えるに従って、オークションという形式は廃れてフリマアプリに取って代わられるだろう。

優しさは暖かい。

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 ただいま帰宅。また書き始めたのは午後8時50分過ぎになってしまった。高輪のマンションオーナーの友人宅へ。その友人は家の臭いを気にしていたが、私の実家と同じ匂いがした。これは東京の山の手の家の匂いなのかもしれない。

 帰りには上がっていたが、行きは土砂降りだった。東京は朝、雨が降っていて、それが止んだので私は傘を持たずに家を出た。着替えも追いついていなくて、コートどころかセーターも着ていない。ジャケットもサマージャケットだ。

 バス停ではバスが来ない。ダイヤより10分遅れても来ない。寒いうえに雨が降ってきた。そんな中、プアゾンを1瓶浴びたような臭いをさせる水商売風の女に割り込まれて嫌に気分になった。

 そしたら、ふと、70歳くらいの女性2人が、それぞれ、前後の人に傘を差し伸べてくれて、私は、そこに入った。私を傘に入れてくれた方でない女性は、中学生の女の子を傘に入れていた。

 最初、その女の子はバスを待ちながら一生懸命、受験勉強をしていたので、気を使わせているみたいで悪いなと思っていたのだが、積極的に私に話し掛けて来てくれて、本当に会話を楽しんでいるようだった。

 私も寒さを感じなくなり、本当に人の優しさが気持ちだけでなく気候の感じ方さえも暖かくすることがあるのだなと思った。バスは30分遅れでやってきた。