身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

心の闇に、また落ちた(TVドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」を観ながら)。

 今日は朝から喫茶店に詰める。詰めるといっても別に仕事を持ち込んだわけでもなく、せっかく空いている時間に来たのだから店員を掴まえて何か話をしようと思ったのに機を逸した。

 なぜか帰って疲れがドッと出た。仕事もしないで何を疲れているのだろうと思いながら溜まったTVドラマを観る。若者向けの恋愛もの1つと「大豆田とわ子と三人の元夫」。

 例によって台詞に名言が盛り込まれているが、懐疑心が強いと名言も名言として入ってこない。

だから人生には2つルールがある。
亡くなった人を不幸だと思ってはならない。
生きている人は幸せを目指さなければならない。
人は時々寂しくなるけど人生を楽しめる。
楽しんでいいに決まってる。
(「大豆田とわ子と三人の元夫」#7)

 「だから」の前提として、時というのは過去も未来も現在も同等に存在しているというような意味の言葉を受けている。だから…。

 死んだ人はズルい。死んだ人が不幸だと思われるのは、思い出が美化されて、良いことが起こるはずだったと思われるから。生きている人はしんどい。美化されることがないから、本当にリア充を目指さなくてはならない。

 脚本家・坂元裕二氏の言葉に異議はない。そして、それが真実だから視聴者の心を打つ。しかし、心が弱っているときに観ると、もう、それがズタズタと心に刺さってしまう。ただ、それでも説教臭くならないところが、この人の巧いところなのだろう。