身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

万年筆の「沼」。

 どちらかというと文壇に与するような本ばかり紹介しているサイトで、神尾あるみ著『ようこそ紅葉坂萬年堂』という本が紹介されていて、ちょっとビックリ。文章が軽くなることには大賛成なのだが、内容まで軽薄になるのは私としては気に食わない。

 万年筆を変えれば世界が変わるではないが、万年筆の世界観のような本らしいので、万年筆について書こうと思ったが、何か力が入らないので機会を改める。しかし、万年筆を変えたら世界が変わるのか。私は社会に出たときに初任給でパーカー・ソネットを買って以来、ずっとソネットを使っているが、さほど思い入れがあるものではない。

 一万年とはいわなくても数年は使うものだから(筆圧が強いので寿命が短い)それなりに吟味はする。しかし、もともと、筆圧が強くてボールペンが使えないから代替品のように使っているようなもので、買い換えるのも惰性でソネットになる。そして、段々と同じソネットでも品質が落ちているような気がする。

 結局、型落ちで安くなったときに大量にソネットを買い込んで、それを崩し崩し使っている。文房具店の店員にはプリミエ(ソネットのひとつ上のモデル)くらい使ってくださいよと言われるのだが、まぁ、この辺が身の丈にあったものの気がする。

  しかし、私は落ちていないが、ヤフオク!などを見ると、たしかに、そこには「沼」があるのだなということが垣間見える。万年筆に限っては、ヤフオク!の相場は安くメルカリは高い。カメラは逆だ。どうして品物によってサイトごとに相場が異なるのか。