身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

セミセルフレジと時蕎麦。

 セミルフレジというのかは不確かだが、私が使っているコンビニで、会計は店員がしてくれて精算(金などの出入)は自分でやるレジが導入された。

 決済方法(現金とかバーコードとか)を選び、自分でカードやを挿入したりスマートフォン画面をスキャンしてもらうと決済されてレシートが発行されるという仕組み。

 私はEdyしかない時代から何となくタッチ決済を使っているが、レジの種類によっては、バーコード決済の場合、そのスキャンも客がやるようである。

 昔の自動販売機みたいに現金の出入口に仕掛けがしてあったりきっぷの改竄みたいに手で数字を書き直してあったりということはあり得ない時代である。

 だからこそ、いちばんプリミティブな現金という決済方法が怖い。釣りがパチンコの玉みたいにジャラジャラ出てきて、後ろに人が つか えているから確認のしようもない。

 そのような時代で現金決済が懐かしいのか、Facebookで、落語「時蕎麦」をアップしている友人が複数いた。

 簡単にいうと、蕎麦屋での会計時、硬貨を1つ、2つ… と数えていて、7つまで来たところで店員に何時? と訊く。店員が8時と答えると、8枚目はスキップして9つ… と数えて、1枚、胡麻化す噺である。

 こんな話を同時多発的に友人がしているというのは、やはり会計時に人と人とのコミュニケーションが求められているのかもしれないと思う。

 平成以降の生まれの人は知らないかもしれないが、きっぷを駅員が1枚1枚、手で確認していたときの改札口の混雑は大変なものだったので、もう結構だが。