身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

より良く。

 昨日、道案内をした。スマートフォンを見るには見ていたが、明らかに困っていた就活中と思しき女の子だった。

 暇人であることもあって道案内をすることは嫌いではない。ただ、渋谷などで外国人観光客を案内するのとは少し違う。

 まず、目的地が有名どころではない。また、住宅街なので目的地まで一本道ということもない。

 昨日は、その女の子がスマートフォンを持っていたので、地図の向きと現在地を教えた。

 それでスマートフォンのマップを使って目的には確実に着けるはずである。ただ、そのときは住所も聞いたので、もう少し丁寧に教えられた。

 バス停で3つほどあること、大通りに出たほうが道が判りやすいこと… 後になると、あれもこれも教えればよかったなと思う。

 道案内をするのは少しでも他人の役に立ちたいという気持ちからである。そして、もっと役に立つことができたのにと残念に思う。