身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

新松戸の高校生がダサかったこと。

 昨日、実家に来るときに新松戸駅を通った。いつも電車では実家の最寄りの駅の昇降口に近いドアのそばに乗るのだが、昨日は電車が来てしまったはので新松戸駅の乗り換え口のそばに乗った。

 新松戸駅は私が子供のときに開業した、比較的歴史の浅いターミナル駅である。ある大手財閥系のデベロッパーが開発したマンション街が駅前に広がり、住んでいる人も都会人といえる人ばかりである。

 しかし、乗ってきた高校生たちが、どうも東京の高校生ばかり見ている私にはダサく見える。それも女子生徒に限ってだ。ネクタイあるいはリボンを第2ボタンまで下げ、ワイシャツのボタンを外しているだけでなく襟を上から引っ張ったように立てている。

 コロナ禍が始まったとき、会見で小池都知事が作業着服の襟を立てていてダサいなと思ったのだが、その比ではない。どうしたら、こんなダサい格好をするようになるのか。

 私が子供のころ、お上りさんというのは服装を見れば判った。ユニクロなどない時代ではあったが、同じTV番組を見て、同じメディアに触れているはずなのにである。

 私が通った高校は取手にあり、ダブルのジャケットに1,000円のネクタイ、千鳥格子のズボンという制服だった。茨城という土地柄もあったが、わざとダサくすることで目立つから悪事を働かないということだった。

 その制服は変わったが、相変わらずダサいことで有名である。しかも、ほとんどの女子生徒が大股を広げて何人分もの席を取り、迎えに来た(高校生だぜ!)親も、それを放っておく、教師は車内ということをわきまえずに恫喝するなど、なかなか悪名が轟いている。私は特待生なのに退学したが、今でもそれを誇りに思っている。

 私の通っていた高校は他人に迷惑をかけようと自分が正しいと思ったことしろという、とんでもない指導方針が敷かれていた(例えば、集合場所には15分前に集合するのが原則で、その目的を完遂するためなら、そこにいる人たちの迷惑など考えるなとか)。

 新松戸の高校生たちも、そういう悪しき指導を受けているのか。あるいは、そういうダサいファッションを広めるファッションリーダーがいるのか。人間というのは影響を受けやすいと思うが、影響は良いものから受けるべきだなぁと思った。