身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

百合子さんは何者。

 今日、小池百合子事務所から選挙活動の電話が架かってきた。普通に「小池百合子事務所ですが」と言われ、小池が聞き取れなかった。近所に石田ゆり子事務所があるので、一瞬、そこかと思った。誰ですか?と訊いて「小池百合子です」と言われてもピンと来なかった。都知事候補の、まで言わせてしまった。今の時代、選挙活動が電話とは思わなかった。

 先日、私の名前を公募した中には、まったくメジャーな名前が入らなかったのだが(私が希望しなかったこともある)、百合子さんというのは普通の苗字だったら同姓同名が沢山いそうだ。小池百合子石田ゆり子… 冒頭のタイトルも武田百合子に関する著作の文字りである。

 かつて、国際電話のオペレーターをしていたとき、勝プロダクションのナントカ玉緒さんという方と話をした。記録を取っていたら上司に「勝プロダクションの玉緒さんと言ったら中村玉緒さんよね」と言われ、初めて勝プロダクションが勝新太郎さんの事務所であることを悟った。つくづく、有名人・著名人に関しては鈍である。

 関係ない話だが、寓居の傍に美女がこぞって入っていくビルがあって、かねがね不思議だった。怪しい宗教ではなさそうである。表札を見ても何も書いていない。この前、たまたま求人広告を目にしたら、その住所で大手モデル事務所の求人が載っていた。白金の普通の商店街である。意外性では、これも勝るとも劣らない。

 政治家もタレントも、普通の名前で普通に生活しているのだなという当たり前のことを思った。政治家一家とか芸能一家なら別だろうが、親が大成するように政治家になりやすい名前、芸能人に相応しい名前というのを付けるとか、そういうことはないのねとバカみたいなことを考えた。

 しかし、現職候補が電話をしてくるくらいだから、皆さん、今度の選挙は関心を持った方がいい。