身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

スター・システムは健在。(TVドラマ「ドクターホワイト」を観て)

 一見して、1話だけ観て止めた「アリバイ崩し承ります」を彷彿とさせた。あぁ、これは浜辺美波さんを見せる作品だと思った。勧善懲悪の映画よろしく、最後に登場して総括する。

 そして、台本の粗さが目に付く。「井戸」という概念を作品中で初めて教えてもらうのに、以前から知っていた知識のように、その総括に盛り込まれていたことに違和感を覚えた。

 また、医療知識というのはTVドラマに盛り込むことが難しいのだなと思った。商社モノなどは、元業界人として良く盛り込まれているなと思う。ただ、私は物流部門にいたのだけど、「この輸送には○日掛かります!」というのを営業か何かに押し切られて「では×日で」って、あれはない。

 閑話休題、「アリバイ崩し~」のときと同様、原作の小説は別にあり、安田顕さんのようなベテランが脇を固めるというか持ち上げる。本作でいえば柄本佑さんの役どころ。浜辺美波さんの出身である東宝シンデレラ角川映画に対抗して始まったという。なるほどと思う。

 結局、薬師丸ひろ子さんの時代の図式が、今も生きているのである。スター不在の時代といわれるが、スター・システムは、まだまだ健在だ。