身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

Freeze...

 昨日、母から電話があって、本当に思考というのは停止することがあるのだなと実感した。

 一部の人はご存じだが、母は私の誕生日に事故を起こし両足が人工股関節になり、施設に入れるか入れないかという事態になった。

 結局、今は実家で独り暮らしをしているが、昨晩遅く、家の前で転倒して歩けなくなったと電話があった。

 それ自体は、ある意味、仕方がない(no help)ことである。ただ、問題は、ここから。

 誕生日に起こした事故の保険金の請求のため、今日中に実家に来て、明日、朝1番で実家から1時間以上かかる病院で診断書を受け取り、帰ってきて実家で書類を作って(事故報告書というものが要るらしい)午後に郵便局に請求手続きに行けと言う。

 なぜ、月曜の1番である必要があるのか。その理由が釈然としない。ただ、言い出したら聞かなくて、何とか妥協点として今週中という回答を引き出した。

 こっちも、体調が悪く、ほぼ寝たきりである。今日は無理をして喫茶店に出掛けたが、喫茶店の帰りに散歩をしようと思ったのに、寝ていないせいもあり目眩がして、そのままバスで帰ってきた。

 そのような体調で行けるわけがない… それが、私の周囲の声である。

 皆に、体調が良い時まで伸ばした方が良いと言われるが、母はわがままを言って聞かない。困り果てたら本当に考えること自体をしなくなるのだなと体験したのであった。