身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

身体妄想。

 母が、かなり前から、頭の骨が削れて粉になって頭皮から出ていると煩い。私の主治医(精神科)に訊いてみると、統合失調症でも痴呆でもなく身体妄想といって老人にはよく見られるものですよと言う。

 母が困るのはここからで、薬害だ薬害だ(おそらく副作用のこと)と騒ぐ。TVを見ていたら国が救済措置を取るとCMが流れていたと言うので、おそらく、それは間違いだ、どこかの宣伝だと言ったら一旦は大人しくなった。

 しかし、今日になって、医療に強い弁護士を紹介しろと強気の電話が。薬害だと言った人に紹介してもらえと言ったら病院のワーカーだという。医師は相手にしなかったらしい。

 そんな弁護士はいないと回答するが納得せず、私が周囲に相談。皆に相談したけれどいないと言えと言われるが、そう言ったところで納得しない。月曜になって母のケアマネージャーに相談することにする。

 私の母の場合、妄言というのは若いときからあったし、それでケアマネージャーも1人、辞めている。辞めたケアマネージャーに、私が、母が妄言を言うと言ったのだが、それは勘違いしているんです! と言い切られた。

 結局、そのケアマネージャーは自分が同じ目に遭って辞めることになった。他人の言葉は無下に否定しないことが肝要だ。