身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

時間なんか要らない。

 朝、目が覚めたのは、すでに銀行などが業務を開始している時刻。しかし、目が覚めたところで苦しくて動けない。

 起きられるようになるのは正午前後。やっと起きられたところで本を読もうにもTVドラマを観ようにも注力できない。

 会社員時代、私は事務系の専門職だった。黙々と仕事を熟せば熟しただけの成果があった。しかし、今は、何も熟すことができない。

 私の父もそうだったが、長生きがしたいという人は、さして苦しい思いをしたことがない人ではないかと思う。

 こんな時間、あったらあっただけ苦しいものだ。