身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

昼間のTV番組。

 まだ実家にいる。PCもないしテレビも独占できないので母と民放TVのニュースショーというか解説番組を観ている。

 観ていて思うのは、頓珍漢なことを言う「専門家」が多いということだ。それ、中学生も指を指して笑うよというようなことだ。
 例えば、新型コロナウィルスの問題で、検査数を増やせば増やすほど感染者の「割合」が多くなると言う専門家がいて、検査すれば感染者数は増えるかもしれないけど今までは感染が危ぶまれる人だけを検査していたので、割合は逆に減るだろう。
 当然、司会者は判っているのだけど、自分の口から言って面目を潰さないためか、話を統計学の専門家に振る。そうすると、分母が増えても分子は… などと言う。
 そして、間違えた認識を明言した人は、なおさら理解できなくなり、しかも、その正しい認識を示した人も、どんな検査か判らないために、自分の方が誤解しているのではないのかと自信をなくしたりする。
 そして、大岡裁きではないが、全員の意見を1通り聞いた上で司会者が正しい事実・正しい認識を言う。正しい認識に基づく議論が始まるのは、それからである。
 まぁ、それで時間が合うようにキューシートが作られているのであろうが、観ている方としては、前半は、まったく退屈である。

 タレントもチンプンカンプンなら国会中継も酷く、検察庁法が改正されなければ黒川氏の定年延長は撤回になるという前提で話している議員がいて、私など、議員がそんなに不勉強とは思わないから、改正を止めれば黒川氏は検事長は、そのまま定年になるのかと思っていた。改正されなくても定年の延長は決まっているらしい。(まぁ、これだけ世論が動けば検事総長にはなれないだろうけど。)
 また、新型コロナウィルスの治療薬である。効果も副作用も判っていないから治験をしているのに、行政の力で認可を、という野党の主張は怖いなと思った。その薬で助かる人より薬害が出たりしたら、どうなるのだ。それはそれで行政が叩かれるのなら、意外とリベラルな私でも、少し与党に同情的になる。

 なんか、世の中の争いというのは、誤解の上になりたっているのではないかと思わせる縮図が昼間のTVにあった。戦争は常に戦っている人々は自分が正義だと思っていて、戦犯は負けた軍にしかでない。ふと、そんなことを思った。