身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

大学入試センター試験と雪。

 大学入試センター試験は今年で最後になるそうだが、やはり雪が降った。共通一次試験のときから、どうして、この時期に試験を行なおうと思うのだろうと不思議だった。最初から再試験用の問題が作ってあるということは雪が降ることが前提みたいだ。

 私は、浪人したが、その後に受けていたら初回の大学入試センター試験の受験生に当たる。大検出身の私としては、そんなに何科目も受ける余裕がなく、そもそも私学も中堅といわれるところを3・4校(うろ覚え)しか受けていない。それすら受かればラッキーで、傍から専門学校に進むつもりだった。

 現役だったら最後の共通一次試験を受けるはずで、そちらも受けるつもりは皆無だった。高校時代、悪名高き江戸川学園取手高校の東大コースなるところに入れられていたので(自分の意志ではない)東大受験が必須で共通一次試験用の勉強もさせられていた。

 しかし、この東大コース、私が在籍していたころは東大とは名ばかりで誰も東大に入らないという失笑もののコースだった。1浪した揚げ句に推薦で明治大の二部などというのが普通で、入学時主席の私ですら大検だ。しかし、今、この公式ページを見て、地下鉄で1本の大学に徒党、もといツアーを組んで見に行くのかと相変わらず呆れる。

 さて、ニュース性があるから耳に入るのだろうが、共通一次試験から大学入試センター試験への移行は、参加した大学が増えたくらいで、今の大学入試センター試験から大学入学共通テストへの移行のようなドタバタはなかった。すべてマークシート、すべて大学入試センターが作った問題。これだけ長い間、同じ形式で続いていたのは、それなりに優れたシステムだからだと思う。1次試験がプリミティブな分、大学側で作る2次試験の自由度が増した感じもする。

 天気予報を見なくても、大学入試センター試験というと、あぁ、雪だなぁと思う。そして、受けなかった試験のことを思う。