身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

精神病院は殺人をも合法化できる。

 「あけぼのばし自立研修センター」を運営する「クリアアンサー」という会社が刑事告訴されたというニュースをTBSテレビで見た。調べてみると、この会社、何度も提訴されているらしい。

 以前から、この会社は他社のメディアに膾炙していていて、朝日新聞系のハフポストには、以前の提訴のとき、すでに「クリアアンサー社は、この女性以外に少なくとも2件の訴訟を起こされている。」とある。また、毎日新聞でも取り上げられている

 この手の組織は、戸塚ヨットスクールの時代から変わらず存在している。表に出るのは氷山の一角だ。また、それは、姥捨て山を望む親がいる限り、世の中から消えることはないだろう。そして、それらの組織に頼むのは任意だからというのも表に出ない原因になっているように思う。

 注目すべきは、TBSテレビの報道では医療保護入院をさせた精神病院も告訴されていて、ハフポストの記事だと母親も提訴されていることだ。あけぼのばし自立支援センターは、人権侵害行為を「医療保護入院につなげる必要があり、両親の許可を得ていて違法ではない」と弁明しているという。センターも親も(医療保護入院は親の同意に基づく)精神病院もグルだ。

 私も、親に、いきなり拉致されて精神病院に放り込まれたことがある。その病院では患者が投薬されてバタバタと死んでいった。一緒に酒を飲んだことがある知人もだ。私も、他の医師曰く「毒を盛られ」死にそうになった。ハフポストの記事中に「突然拉致・監禁された傷は一生消えない」とあるが、さらに殺されかけている私は、その程度で心の傷と言われてもという感じさえする。

circumstances.hatenablog.com

 

 私もハフポストの記事のように法務省に相談したところ、医者の指示だと何も口出しできないんだよなぁ… と言われた。記事中に法務省は何もしてくれなかったというようにも取れる記述があるが、法務省は他の問題について相談すると法テラスより的確な返事が返ってくることがある。しないのではなく、できないというのが本当のところだろう。

 身体科の医師なら患者を殺そうとしただけで大問題だが、精神科は治療法が決まっていないので、治す気がないどころか殺意をもってした行為でも、治療だと言い切ってしまえば人権を守る国家機関でさえ何も言えない。例えば精神科の医療過誤が問題になったことは聞いたことがない。

 どんな判決が出るか判らないが、提訴まで持っていけたのは稀有な例だと思う。民間のセンターを経由せず、直接、脱走ができない精神病院に放り込まれたら、どこにも訴えることもできず非業の死を遂げていただろう。殺されず帰還できた私でも何もできなかったのだから。

 何か、前回もそうだが、このことになると冷静になっておれず、まとまりがない文章になってしまった。これから、何度も何度も繰り返し表現すべき事柄だろう。