身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

自動車の車種と地域に見るパーソナライズと多様性。

 雑誌で日本にミニバンが根付くとは思わなかったという意見を目にして、そういえば私がトヨタの外部モニターみたいなことをしていたときに同じことを言っていた人がいたなと思った。私が近所の外人さんが使っていて使い心地が良さそうですよと言ったら、それは麻布の高級住宅街だから平気なのであって普通の郊外の住宅街で乗っていたら奇異に見られると言われた。

 それで思い出したのが実家に行っていたときのこと。スマートフォンSNSを見ると、現在地に応じた広告が表示されるのだが、松戸市の中古車自動車会社というのは、どうして、どこも国産の下のクラスの車しかないのかと思った。子供のとき、マークⅡに乗っているだけで金持ちと言われたり、日産車に乗っているだけで酔狂だと言われたっけ。

 パーソナライズされた広告というのは、多様化したニーズに応えるように見えるが、封建的な場所で画一的なそれを見せられたところで、ニーズに沿っている、選択肢を提供しているとは思えない。他の地方では、こんな車が乗られています、それ以前に、他の地方では、その車だけが車ではないんですよというところから始めなくては、広告は見せる価値がないと思う。